「変な歌…」
先週、映画の話で「内容には全然共感できないけど映像が美しいので魅かれた」と書いた。 じゃあ逆は? 昔、オノヨーコが73年「女性上位万歳」という日本語の歌を発表した。 オノヨーコはジョン・レノンの奥さん、私は中学生だったけどそのコトは知っていた。 なんでビートルズの一人のジョン・レノンがこの年上の日本人女性と結婚したのか、もちろん詳細は知る由もない…。 オノヨーコを全然知らなかったし。 (調べたらうちの母ちゃんの同い年だった…) まあ結婚したんだから愛し合っていたんだろう…。 で、その「女性上位万歳」。 …変な歌だった。 歌詞は日本語だしわかりやすい内容で。 ↓ 「男性社会一千年 煤煙うずまく日本国 歴史が示す無能の徒 男性総辞任の時が来た
おんなの本性みせる時 女魂女力で女魂女力で 開こう新時代
女性上位万歳 女性上位万歳 女性上位万歳 女性上位万歳〜」 とてもわかりやすいでしょ。 でも正直全然フレーズが美しくない。 何か言いたいのかストレートすぎるというか… 陳腐かな…。 中学生の私でも「??」だったよ。 でも、 「歴史が示す無能の徒 男性総辞任の時が来た」 とかは、今の世界情勢ではある意味真実だなーと思う。 思うけど…。 メロディがまたヘンテコで、歌声は、なんと言いましょうか、素人よりへたくそで。 声質も問題外。 中学1年生だった私は、それでも一生懸命聴いて、なんとか良さを見出そうとした… この歌をいいと思えないのは自分が未熟だからだ…と。苦笑。 もちろん全然ヒットとかはしなかったけど、今でも口ずさめるよ。笑。 今思えば、この歌は「ジョン・レノンの妻」「オノヨーコ」でなければ世に出ることもなかったかな。 もしオノヨーコでもなく、ただの成年女性が駅とかで披露したら、誰も耳を傾けることもなく、それどころか「キーキーうるさい」って言われたかも…。 こういう歌が「ウーマンリブ」とか「フェミニズム」の表現というなら女性が共感するとはとても… 「男女平等」の切り口としてはなんか違うんじゃないかな…。 せめてもっと心地良いメロディだったらなあ…。 ジョン・レノンが70年代に発表した「ダブルファンタジー」ってアルバムがあるんだけど、当時、私も欲しかったんだけど中身は、半分はオノヨーコの作品っていうので買うのはやめたの。 ジョン・レノン部分はとてもとても聴きたいんだけど、高校生がお小遣いをはたいてそういうアルバムを買うわけにはいかなくて。 先日たまたまその話になって、漫画家の後輩が「オノヨーコのところを飛ばすのが面倒くさかったなあ」って。苦笑。 買わなくてよかった…。 実際、大ヒット曲ですごくきれいなメロディでも歌詞はよく見ると「ん?」ってのもしばしば見かけるなあ…。 日本を代表するミュージシャンの…。 大ヒット曲あるある。 (具体名は避ける…〇―リップとか〇田和正とか…〇ルフィーも微妙な歌詞…ひゃあ。笑) いっそ英語とかで歌ってくれたら気にならないのに。 中学生の頃はね、洋楽も大好きだったから一生懸命辞書ひいて訳したんだよ。 どういうコトを歌っているんだろう? 大好きなメロディだからもし素敵なコトを歌っているんならもっともっと好きになるかな?って。 ビートルズなんかはわかりやすい英語だったから訳するのも楽しかったよ。 でも「キャントバイミーラブ」なんかは「??文法が違うぞ??」って悩んだものだ。 多分これはわざと文法を無視してメロディに合わせたんだろうな。 意味はそのまま「愛はお金じゃ買えない」ズバリ、でしょう。 間違いなく。笑。 真面目に辞書ひいて悩んだ自分が愛おしい…笑。 「She loves you」も、大好きだったけどあまり深いコトは歌ってないのね。 ビートルズだし…笑。 それでも今でも口ずさめるのだからやっぱり歌はメロディがすべてかな。 あ、サイモン&ガーファンクルも大好きで訳に取り組んだ。 こちらはなかなか詩情がありました… あ、高校生になると「ボヘンミアンラブソディ」も…懐かしい…。 こちらは翻訳もとても美しく、彼の人生を暗示してるような意味合いも感じますが、専門家曰くフレディはあまり深く考えてなかったそうです。 ま、聴いて楽しめれば善し、と。
夏子
「フルメタルジャケット」
…をテレビで観た。 何を今さら… だけど観るのは初めてで。 もちろん87年に公開された時は知ってたけど何となく観なかった… 戦争映画は名画が多くて割と好きだった。 同じ時期、「プラトーン」は観たけど、ベトナム戦争を扱った映画ってどうしても感情移入ができなかった。 「ディアハンター」とかも、すごくいい作品だとは思うんですが、どうも西洋人のアジア人の見方がどうしても…。 (かといって、ベトナム人に感情移入するわけでもなく…) まあ当時の自分もまだまだ無知だったんですけど。 今、ベトナム戦争がどういう評価をされてるか少しは知っているので… 「感動」はどっかにいっちゃいましたね。苦笑。 で、フルメタルジャケット。 深夜に何となく観てたらおもしろくて、(あわてて途中から録画して) おもしろいといってももちろん感情移入するわけじゃなく、まして感動するわけもなく。 セリフとか、映像とかが単純におもしろい、というかスタイリッシュ(と言っていいのか…)でテンポよくて。 ちなみに、今回が初めてのテレビ放映?だったらしい。 (BSとかCSではあったのかな?) どうもきわどいセリフが地上波ではアウト…だったようで。 「クソ」とか「FUCK」とかその手の放送禁止用語?でてんこ盛りで。 差別用語とか…。 タランティーノが大喜びしそうな単語が。 タランティーノは「タマにさよならしな!」ってセリフが大好きなのよね。苦笑。 内容は、いかにして人間を「殺人マシン」に洗脳するか、いかに「理不尽」をまかり通らせるか、なので…。 いかにして「こころ」というものを抹殺してどれだけ敵をたくさん殺すか…。 頭ではわかっても、まあとうてい受け入れられるものではなくて。 アタリマエか。苦笑。 それでも最後まで観てしまったのは、映像がとても美しかったから。 シンプルで、力強くて。 光と影、とか。色彩とか。 監督のスタンリー・キューブリック。 名前だけはよく知ってたけど、へえ、こういう感じだったんだ。 今さらながら…「へえ」って感じ。 「時計仕掛けのオレンジ」はあまりにも有名で、まだ小学生だった私もあのポスターだけはよく知っていたよ。 とにかく構図がカッコよかったからね。 あのつけまつげ! なんとなく魅かれてよくマネして描いたっけなあ。 映画の中身も知らないくせにね。笑。 何年かしてから名画座だか深夜テレビだかで観たけど、なんだかよくわからなかったわ。苦笑。 あら、「シャイニング」もキューブリックだったのね。 これもレンタルビデオか何かで観たけど、内容はちょっとよくわからなかった。 怖いといえば怖い… 笑顔がホラー、というのは「シャイニング」で認識したっけな。 どっちも「ポスター」が超有名。 ということは、やっぱり映像というか「絵」の切り取り方が秀逸なのね。 ある意味「はったり」というか。 中身はともかく、「美しい」というコトは目を引く…というコトを学んだような。 どんなにいいテーマを叫んでも、メロディが凡庸なら売り物にならん、という…。 フルメタルジャケットはそれにくらべたら内容はわかりやすかった。 ストーリーがあるといえばあるし、ないといえばない… 「リアル」とか「シニカル」…。 子供の頃は映画にはまって、とりわけ戦争映画=感動だった。 大作が多かったからね。 ハリウッドスターがカッコよく戦ったり、ヒロインの女優さんが泣き崩れたりするのに魅入られたものだ。 今は…。 今は何も感じないけどね。 中学生くらいの頃、まだ「戦後」という言葉はよく聞いたし両親や親戚の大人の人達は体験者だった。 子供の私はニュースや授業で戦争を学ぶたび、「人類はもう二度と戦争はしないだろう、これだけ悲惨なコトが起こり、大人の人たちは学んだのだから。」とおめでたくも信じていた。 いつのまにかすっかり裏切られていたんだな。 大人というのはもっと賢いと信じていたんだ。 ほんと、おめでたい子供だったな…。 チクショー!てな気分。苦笑。 今朝起きて、ワールドニュースでうんざりし、スマホ見たら 「朝、路面の凍結に注意」ですって。 …転ばないようにしなくちゃね。
PS. 配信で「落下の解剖学」観ました。 評判がよかったので映画館に観に行きたかったんですがシネコン、って 時間がめちゃくちゃで。 朝8時から、とか夜の11時から、とか。 で、なんとなく見そびれて。たまたま「アマゾンプライム」で あら、観れるじゃん…と。 タイトルからもう少し科学的なクールなオチとかあるのかな?と期待したら 結局「夫婦の崩壊」の話でした。 おもしろく観たけど、感動はせず… 後味もイマイチで。 ああ、おもしろい映画観たいなあ… くすん。