「エクセル入門」
…何を今さらねえ…って感じですね。 普通にオフィスで働いている方ならエクセルくらいできますよね。 私の周りでも、エクセルできる?って尋ねるとたいてい(堅気の)人なら 「うん、まあ一応ね」と答える。 さほど難しいものでなければ、単純な表くらいなら一応できますわよ、と。 何と私の弟まで!(弟はもういい大人だろ…) 漫画関係はどうかな。 多分「…」だろうな。 もう昔からある表計算アプリ、ですよね。 でも私できないの。 必要なかったし、家計簿くらいなら手でつけるわい、と。 …家計簿自体付けてないじゃねえか!笑。 求人広告見ると(縁ないんだけど…)たいてい簡単なワード、エクセルができること、って出てるでしょ。 うーん、そうなのよね、普通の社会では。 で、去年あたりからウインドウズ10が出て。 私のパソコンは今はW8だけど長年W7で慣れてたのよね。 多くの人がそうでしょ。私も。 もちろんW7を使いこなしていたか、って言うと全然大したことないけどさ。苦笑。 でも事務所のパソも、勝手にW7からW10に移行しちゃってたり、新しく購入したパソは当然のようにW10だし。 聞くところによると、もうW10で打ち止めだと。 マイクロソフトではもうこれ以上は出さない予定らしい。 決定版、とのこと。 W8であたふたしてるのに世界中W10になったらどうしたものか、と悩んだあげく、また近所のパソコン教室に通い始めたの。 W10攻略、というか、せめて少しはサクサク使いたいじゃないの。 それに前のパソも普通にエクセル入ってたのよね。 でも一回も開くことなく…。 さすがにパソコンが気の毒だ。 可哀相なエクセル…。 能力の1%足らずしか使ってもらえてないなんて、まるで人間の脳みそのようではないか。 せめて潜在能力の3%くらい活用してやりたい… 私の脳みそだってそれくらいは…。 それにW10は漫画ソフトのコミスタに対応してなくて。 もっとも、コミスタはすでに生産終了、今はクリップスタジオ、クリスタがスタンダードになっていましてね。 うう、せっかく奮闘して何とかコミスタを多少は使えるようになって慣れてきたのに…。 でもW10のコミスタで少々パケが出るようになっちゃってね。 その時が来たかな、とクリスタにも切り替えたわけ。 人間の能力をはるかに超えてパソコンソフトはどんどん進化していってしまっている、クリスタが平成、ならこっちのおつむは縄文か弥生か… いいとこ室町だろうか… せめて江戸時代くらいには追いつきたいと。 関ケ原とか。 1600年! …意味なし。 てなわけでパソコン教室。 で、習うコースを選んだら(さすがにもう入門クラスではない)、メニューにエクセルコース入ってる。 インストラクターのお兄ちゃんが、 「せっかくですからヘイウチさん、エクセルやってみましょうよ」と。 「でも必要を感じないしー」とかうだうだ言ってたけどそれもなんかかっこ悪い。 てなわけでエクセル入門。 ちなみにワードは少しはできる。 (前回の教室で入門コースで履修) それにコミスタとかいじってると少しは感じわかるし。 用語とか、マークとかはなじんでる。 基礎コースですからテキスト横に置いてその通りにやってますわ。 用語とか進行に慣れれば、足し算とかはそれなりに。 まあ一歩ずつ、ね。 とはいえ生活に「必要」はまったく感じないのは相変わらずですが。 「電気量とか、表にしたりして節約の参考に」とお兄ちゃん。 でもねえ、いわゆる節約は一通りやってるのよね。 常識として。 無駄な消費はしてないし、必要なものは購入している。 広告みて安売りのまとめ買いもするし、でも安いからって輸入野菜とかを買う事はしない…程度。 食べるものは気を遣ってるかなあ、バランスとか。美容(?)と健康のために。 収入の上がり下がりなどは連載時代から気にした事はない。 うまくいってればうまくいくし、減ったからといってじゃあどうしたものか、と数字に対して対策などはしない。 こだわるのはあくまで作品の質で、数字は結果にしかすぎないし、稼ぎたいから、と言って計画して売れるものじゃない…。 マーケットリサーチは本末転倒、だと思っているし。 だから、グラフを作成してそれを考察したり検討する必然は無縁だった。 でも、なんとなく、いつまでも「エクセル全然だめ」とか「あんなもの必要ない」と主張し続けるのもクールじゃないよね。笑。 取りあえず、「まあ一応、カンタンな表くらいなら」程度にはマスターしたい。 使うあてもないけど。笑。 ま、知識はあってソンするものでなし、なんちゃって。 一つ、エクセル使ってぜひ試したい数式があるの。 「トイチで1円借りて、10年後の返済額は?」 何でも、10年後には10億円くらいになるらしい。(複利で) 前に計算機使ってえんえん「×1.1」を鉛筆でメモ書きして… ヒマなの!? でもエクセル使えば一発でしょ! ぜひやってみたいのよ。 インストのお兄ちゃんに聞いたら彼は「数式というか方程式がわからないと…」って作れなかった。 数式さえわかればあとはオートフィル機能でばばばばばっと返済額が一発さ! …借りるわけでも貸すわけでもありませんが。 ヒマだろ!? むしろバカ。 ま、興味として。 どなたか複利の方程式教えてくれませんか?笑。
P.S ブラインドタッチはできる。 しかも速い… 毎日タイピングゲームやってるからキーボードが少し鈍くなってしまった… (まるで大昔のインベーダーゲームみたいだ…ひなびた温泉宿にいまだにあっ たりするヤツみたいな) これじゃ実力が発揮できないじゃないか… ヒマかよ…。 エクセルできる知人とかパソコンサクサク操れる方の中には結構「一本指」 の人いるのね。 どんなソフト操れてもそれじゃ「クール」じゃなくなくない?笑。
夏子
「懐かしの…」
先日、BSの歌番組で谷村新司(の番組)を見た。 ゲストは堀内孝雄…ベーやん。 二人ともう一人、キンちゃんがいればアリス。 (今回は二人だけ) 実は中学生の頃アリスのファンだった。(…) アリスというよりは谷村新司の。(!!……) 72,3年頃だからもちろんブレイクする前のフォークソング時代のアリス。 ちなみにフォークソング時代のRCサクセションも好きだった。(清志郎〜♪) なぜ谷村新司のファンになったか、というと。 中1の頃、よくラジオを聴いていたの。 夜〜深夜。 その頃はラジオが一番クールだったのよ。 私は姉の影響もあってか、テレビのアイドルとかよりもこっちの方がカッコいいと思っていた。 だって当時の教室の一番人気はフィンガー5にずうとるびだよ! どうすりゃいいのよ…笑。 その少し前は野口五郎(好きだった♪)や西城秀樹、郷ひろみに至っては…。 どうすりゃいいのよ! ジャニーズのはフォーリーブスの後低迷、アイドル冬の時代か…。 で、当時よく宿題とかやりながら聴いていたラジを番組に、文化放送の「ハローパーティー」というのがあったのね。 メイン司会が土居まさる(料理する人じゃないよ!)で週1か2で谷村新司がサブでパーソナリティやってたの。 つまり、顔がわからないのよ。(…) で、谷村新司のあの美声でしょ。 私はてっきり野沢那智みたいなクールな男性だと思って、ファンになっちゃったわけさ!!!! おおお…嘆くでない…。 今みたいにネットなんかないし情報を取る手段なんかまったくないから、顔もわからず、声だけで… それにトークもすごくおもしろかったんだよ! そしてしばらくしてから谷村新司の姿を雑誌かなんかで見たの。 ………(ちょっと絶句)……… …でももうファンになっちゃってたから(?)そのままアリスの曲も好きになってたわ。 ま、いいじゃないの、少しバイアスかけて、かっこよく見える角度を探して…笑。 ごく少数の友だちと、清志郎の方がかわいい、とか古井戸が好き、とかワイワイしゃべるのは格別楽しかったわ。 クラスのほとんどの子は知らなかったけどね。だってフィンガー5やずうとるび…以下省略。 大人ぶっていたのかな。 「オタク」という言葉が出現するのはさらに10年待つ…。 深夜放送の「セイヤング!」もがんばって聴いてたよ、いったん寝てから目覚まし時計で深夜に起きて。笑。 ばんばひろふみとの掛け合いの「天才秀才バカシリーズ」は真夜中一人で大爆笑。 その後の欽ちゃんの「よいコ悪いこ普通の子」はこれのバリエーションではないか、と思ったね。 それでお小遣いはたいて(確かLP1枚1500円くらいだったのかな…超贅沢) 「アリスU」というアルバム買って。 毎日聴いて。 CDと違って曲飛ばしたりできないから全曲同じように大事に大事に聴いて。 とりわけ「愛の光」と「おまえ」って曲が好きだったなー。 いい曲だったよ、いわゆるCとかFとかのコードを繰り返すフォークソングとかと違って、もっとダイナミックな、その後のアリスを彷彿とさせるようなドラマチックな曲調だったような。 アリスのファンだったのは違いないけど他にレコードがろくにないもんだからそればっかり聴いてたわけ。笑。 父親が電気関係の会社だったから付き合いで買わされたのか、プレーヤーではなく、でかいステレオが家にあってね。 でもステレオあってもレコードがないの! 一枚も! 爆笑でしょ。 両親は戦中派だから音楽なんか聴く余裕はなかったのかな。 それで初めて家にいらっしゃったのは加藤登紀子の「琵琶湖周航の歌」。 誰が買ったんだか…笑。 そしてクラシックの「ヨハンシュトラウスのワルツ」。 そのうち姉が、ミッシェル・ポルナレフの「シェリーに口づけ」を買ってきて。 これが初めて耳にする洋楽、ね。 さらに、クラスの男子が、親がレコード会社勤務だからレコード社販で安く買える特典を利用させてもらって280円(正規では400円)で私が買った野口五郎の「青いりんご」! 中1になると少々背伸びして、Tレックスの「イージーアクション」! すごくノリがいいんだよ! すごいバランバランなセレクションでしょ!笑。 でもどれも何度も何度もかけたもんだよ。 だってレコードそれしかないし…笑。 今思うと、当時のステレオのスピーカーはいい音だったと思うよ。 木の大きな箱で響くんだもの、今のCD(これも古いのね、もはや…)とは比べるべくもない。 そして「アリスU」と、少し後にかぐや姫の「かぐや姫さあど」を購入して。 これもいいアルバムだったよ。 「神田川」が入っていたし。 両方のアルバムとも、全曲まんべんなく聴いていたから、先日の谷村新司の番組で演奏された曲、古いものほどよく知っていたわ。 歌詞もほとんど覚えていた。 懐かしい…。 でも数年後、アリスもかぐや姫も大ブレイクしちゃったんだよね。 ファンとしてはそれはうれしいのだけれど、何か違和感も感じて。 私だけが好きだったミュージシャン、がみんなのものになってしまった寂しさというか。 テレビで毎週のように見られるようになると彼らの音楽が俗っぽく感じて、なんかしらけてしまって…。 あ、終わったんだ、と。… 一番ヒットした「チャンピオン」という曲は一番聴きたくない曲になってしまったわ。(!!) …それでも、どの曲もいい感じで、歌詞もスラスラ出て来たわ。 アリスがブレイクしたのは私の高校時代。 聴きながら当時の校舎とか部活とか、試験とか、別に思い出したくないのにいやでも思い出してしまったのでした。 たまにはいいか。 友だちにメールでもすっかな。
P.S 中学頃からレコードは友だちと貸し借りをするようになって少しはレパート リーが増える。 ビートルズの2枚組(赤と青、の)カーペンターズ、エルトン・ジョン、 クイーン、どんどん広がっていったのでした。 う〜ん、70年代ポップス… たくさん聴いたのに今はタイトルすら思い出せない… 聴けば思い出すかしら… 思い出したいなあ。
「今さら手塚治虫V」
手塚神様の短編に「ゴッドファーザーの息子」という佳作がある。 たしか70年代後半頃か… 週刊少年ジャンプの「愛読者賞」という企画で読んだ記憶がある。 ちなみに「愛読者賞」というのは読者の投票で選ばれた10人(だったと思う)の漫画家(他社の作家さんもおられた。あだち充先生とか望月三起也先生とか)が40ページくらいの読み切り短編を10周連続で発表、読者の投票で優勝を競う…という漫画家からしてみたら結構ドギツイ企画。 しかも1位からなんと最下位まで1桁の数字まで明らかにしちゃうんだから今思うとかなりエゲツなかったな…。 当時はまだ10代のただの読者だったので単純におもしろがっていたけど。 でもさすが当代人気漫画家が読み切り短編で競うのだから内容はすごく濃く、レベルが高かった。 どの先生もものすごく力を入れてとっておきの一品を披露してくれた。 80年代には週マガも似たような企画をやって、そういえば私も2回くらい描いたっけな。 でも漫画家先生は普段から週刊連載でくたくたでへとへとなのでかつてのジャンプの愛読者賞に比べたら少々見劣りが…苦笑。 ただ、推測だけど多分漫画家先生たちには評判悪かったんだと思うんだわ。 そのうちジャンプの愛読者賞企画はなくなっちゃったわね。 毎週毎週人気投票で戦っているのにさらに読み切りまで勘弁してくれ…って感じだろうか。 多分、スケジュールの問題でしょう。 その中で、手塚先生の「ゴッドファーザーの息子」が掲載されまして。 主人公は中学生の手塚治虫少年、つまり手塚先生ご自身。 自伝もの、ってジャンルね。 漫画ばかり描いているチビでメガネのさえない手塚少年は、昭和の初期の中学校でばかにされたりいいようにいじめられたりしていて。 ふとしたきっかけで知り合いになったのはジャイアンみたいな番長の明石少年。 バンカラな関西弁の明石君とさえないメガネの手塚少年の二人の心温まる、でもラストはせつない交流の物語だ。 実は明石君は大阪の有名なヤクザの息子。 タイトルの「ゴッドファーザーの息子」というのは明石君を指すわけだ。 当時中学性だった私はこのタイトルの意味がわからず、「手塚治虫は偉大だから、息子というのは手塚先生のことで手塚先生の子供時代の思い出で、手塚先生がいかに子供の頃から漫画の天才だった、というエピソートなのだ」と勘違いしていたっけな。 ははは。 映画「ゴッドファーザー」だって当時お小遣いはたいて観にいってたのにね。 ふとしたきっかけ、というのはいじめっ子にいびられていた手塚少年、手に持っていた自作の漫画をバンカラ明石君が何気なく読み、そのおもしろさに魅了され、以後なにかと手塚少年をいじめから守り(正面きって守る、ではなく何となく自然に仲良くなるという風)二人の間に友情が芽生えるわけ。 在る時は校内マラソン大会を前に運動が苦手な手塚少年を、一緒に走って特訓してくれたり。 ここらあたりは正直凡庸な展開かな、と。 (ひゃっ、恐れ多いことを!!) でも明石君のお目当ては手塚少年の描く漫画だったりする。 「なあなあ、続きは?どのくらい描けた?」と催促し、描いた作品を手塚少年が渡すと夢中になって読みふけって…。 漫画が好きだったんだね。 子供だもん、普通に魅了されたよね。 だって手塚治虫の作品だよ! そしてある日明石君は手塚少年に「女の子の絵を描いてくれ、かわいーい女の子の顔…」と番長がほおを赤らめてお願いをする。 サラさらっと描く… お手の物だ…。 大喜びする明石君。 二人の交流は続く… 「クミコちゃん、って名前つけたで」 「可愛い名前だね」 すると明石君、恥じらいながら今度はクミコちゃんを等身大で描いてくれ、と注文を。 もちろんさらさらっと…。 うおっほー!! 明石バンカラの歓びたるや。 大切に抱えて「手塚、おまえ絶対大物にになるで!」と太鼓判をおして大満足で家に帰る。 その間も二人のマラソン大会にそなえたトレーニングは続いている。 ある日明石君の家に遊びに行った手塚少年。 ものすごい豪邸、明石君を坊ちゃん、と呼び、かしずくたくさんのヤクザたち、 「このご時世(太平洋戦争直前くらいか?)によくこんなごちそうが…」って思わずもらすほどの贅沢な御馳走がふるまわれたり…。 明石君は平気でステーキみたいなものをパクパク。 慣れたもんだ。 「あ、すごい大金持ちなんだな、明石って…」恐縮してる手塚少年。 そこへ挨拶にやってきたのが父親の大親分、息子の友人に頭を下げて、 「せがれをよろしく、せがれは手塚さんにほれこんでおりますので…」 ヤクザの大親分でも一人の父親なのね… しかし明石君、「出てってや!オヤジ!そないなコトせんといて!」と怒る。 しょぼんとして去るオヤジ… 「でしゃばりくさって、オヤジの奴…!」 「…明石組、ってものすごく有名なヤクザなんだろ?」 「そや!それがどないしたんや!ヤクザって言うの…大嫌いなんや、その言葉…!!」 悲しげに怒る明石君。 ああ、子供心にも傷付いていたんだ、自分が普通の家庭の子供じゃない、ってことに…。 ここの明石君がすごくいいんだわ。 普通の子供でいたいんだよね、友だちが遊びに来てくれて、一緒に普通に遊んでいるのに父親なんか(しかもヤクザの)しゃしゃりでてきてほしくないわけね。 バンカラで乱暴者のキャラで通しているのに本当はヤクザの父親がいやで。 友だちの前では、手塚君といる時だけはそういう因果を忘れていたいのに…。 普通に親が疎ましい年頃だしね。 小さいコマだけれど光ってるのよ、こういうさりげないキメの細かさが… さすがの神様。 さらに、明石君の部屋に入ると等身大のクミコちゃんが壁に貼られている、そしてネックレスやハンドバッグやらたくさんの女の子グッズのおみやげが一緒に添えられて。 大事にしてるんだねー、手塚の描いたクミコちゃんを。 好きな「女の子」におみやげ買う時はどんなにか幸せだっただろう…。 しかし明石君金持ちなのね、実際。 そしてマラソン大会の日がやってきた。 手塚少年は特訓のかいあって、見事に10位に入賞する。 (明石君は「ばかばかしくってマラソンなんかやってられっか…」と途中でトンズラ) 「明石!明石!10位入賞だよ!やったよ!」号泣して明石のところへ走って行く。 こんなのもらったの初めてだよ、おまえのおかげだよ!…と誇らしげに賞状を友に見せて…。 「よかったなー、がんばったもんな手塚、漫画もええけどそんな紙もええもんや!」 と二人で歓喜の抱擁。 よかったね、よかったね…。 心あたたまるシーンだが少々ありきたりな…こら! だって数多の刺激の多い少年漫画の中にあっては、ね。 しかし悲しい運命が…。 後年、太平洋戦争末期明石君は招集され、戦地へ。 (爆撃機の絵が描いてあったから予科練だろうか) ラスト1ページのナレーション、 「明石は自分の死に場所へ 手塚の描いたクミコちゃんを腹に巻いて持って行ったそうだ」 淡々と着地。 鮮やかに、力強く、せつなく…。 …当時は普通に楽しく読み、そしてこのラストで普通に感動したものだ。 (ブラックジャックとかに比べると衝撃度ではそれほどでもないんだけれど) さすがに神様・手塚治虫ともなると子供時代のエピソートでもすごいレベルだなあ、とそっちに感心したものだ。 ジャンプ執筆陣の中で数少ない戦中派… 当時「はだしのゲン」の中沢先生もおられたか…。 戦争の記憶を持ってこられてはとても太刀打ちできない…。 …しかし。 今思うとこれは実話ではないんじゃないかな、と思ってる。 ヤクザの息子、「明石少年」は本当はいなかったんじゃないか?、そういう人間はいたけれどマラソン大会とかクミコちゃん、のエピソートは作り物、とか。 つまり実話風の味付けをしたフィクション? この神様は時々さらっといたずらをしたりするし時々いい加減だったりする。 (セリフとかさ…。 ほらもう伝説のいきなり「黒ミサ」とか寿司屋のばかとまぬけといくらと あほで…とか白いライオン・ルナルナの「デイオデイオ」とか。 あ、知りません?) 天才である「自分」をさりげなく、でも堂々と表現してしまうこのメンタル… 手塚先生クラスでなければ許されない構成ですね…。 本当のところは知りませんが…。 昨今の「フェイクニュース」でふと思いだしたんでした。 こんな「フェイク」なら喜んで!ですね。 知性とはこういうものでしょう。 神様ならではの絶妙な塩梅で。 (いま手元に作品がないので作中のセリフはすべて記憶です。 多少の違いあり)
P.S そういえば先日乗った電車の隣で小学生が文庫版ブラックジャック読んで た。 どの話かなーとチラ見したら「デカと鯉の話」だった。 デカって名前のでっかい中学生の可愛がってる鯉の名前が「マッハ文珠」。 ほら、いい加減でしょ…。(事実だよ!)
「フェイクニュース…」
昨年の米大統領選挙の際、クローズアップされたのがフェイクニュース。 昔からガセネタは存在してたけどね。 女性週刊誌とか東スポとか。 昔はよく読んでたなあ、東スポ。苦笑。 元々いいかげんなシロモノって思っていたからそれなりに適当に読んで「まったくなー」てな感じでそれなりに楽しんでいた。 最近はスポーツ新聞もまったく読まなくなったけど。 ネットニュースがそれにとってかわったワケね。 インターネットの普及が大きいね。 私も毎日ネットニュース見てる。 (もちろん新聞も読んでいるけど) このネットニュースがねえ、糞もミソも一緒なのよね。 糞がミソのふりして並んでいて、うっかり気づかずに読んじゃって、 「あ、これクソだわ」と気が付けばいいのだけれど。 みその代わりに味噌汁にクソ入れちゃって… あるわけないだろ! 糞とみその見分け方も、さすがに年を経て少しはわかるぞ。 違いはというと。 やたら長いのはクソが多い。 速報でもないのに短すぎるのもクソ率高し。 また、クソニュースには誤字脱字が多い。 出元もあいまい。 文章も読みづらいし何がいいたいのかわからなかったり。 (だから無駄に長い) いい文章、いいニュースは客観的で具体的だ。 主観や情緒はまったくないか最低限に抑えてある。 読んでいて、「あ、ちゃんと取材してるな、足動かしてるな」と感じられる。 だらだら自分がこう思う、という主観ばかりでできているのは机の上だけ、自分の今ある知識だけで(楽して)書いているのかなーと思っちゃう。 起きたことを冷静に表現豊かに書いているか、きちんと「事実」を伝えようとしているか。 偏見はないか。 さすがに新聞の記事はネットニュースに比べるとしっかりしていると思う。 だって字数制限のある中でいかに正しく伝える為には複数の人間が推敲をしてるはず。 表現がかぶっていないか、無駄な箇所はないか。 もちろんできる限りウラを取って。 それにくらべたらネットニュースはねえ…。 何でも、大統領選の際の「トンデモニュース」を調べてみたら、発信元が世界のある地域に偏っていたんだって。 大統領選のフェイクニュースはほとんどがギリシャの小さな村で生まれていた、と。 どうも失業中の若いもんがヒマだからアルバイト感覚で文章書いてSNSとかにのっけてたら(もちろんガセネタ)、ある時アメリカ人がたくさんそれを読み、拡散させて。 そしたらアップ数によって「広告料」が発生して。 それが「父ちゃんの生涯年収に匹敵するくらいの」額になってた、というから億単位なんだろうね。 そりゃおもしろいだろう!! 面白おかしくデタラメ書いて、何十万何千万?の人が喜んでくれて億単位のカネまで手にしたらさ! やめられないって! こうなるとどんどんエスカレートしてきて刺激的になるのが常。 (そして自滅かネタ切れか?) 読む方もいい加減、ってわかりつつ面白がって読んで。 中には疑いもせず、デタラメを信じたそうな。 「悲しい事に彼らは考えるコトすらしないの…」って嘆く民主党支持者… この場合の「彼ら」はね、トランP支持者かな。 知らん知らん。 …と書いてから気がついたけどこの「ギリシャの…」もフェイクニュースだったりして?! 昔週マガで仕事していた時は編集さん達は「ウソでも面白いものが勝ち」って言ってた。 いくら真実でもつまらなければ価値がない…。 でもそれは漫画、フィクションの世界の話だからさ。 現実はだめでしょ! まだスマホもなく、インターネットが今ほど普及してない頃、おもしろいフェイクニュースがあった。 (私はそれを新聞で読んだのだけれど)それはこんな記事でした。 世界標準の「痛み」の単位ができた。 痛みの1単位を1HANAGE(ハナゲ)とする。 なぜ「ハナゲ」なのかというと、ハナゲを抜いた時の痛みを1とするそうな。 (世界標準なのになぜ鼻毛?なぜ日本語…ここでピンとくるか、笑うか…) 小指をタンスの角にぶつけたら1000ハナゲ♪ お産の痛みは100メガハナゲ♪ 丁寧に文章の最後に「AP」とか付いてる…!! まあ芸が細かいというかよくできているというか! もう爆笑だったわよ。 すぐにその記事切り抜いて皆に見せて「拡散」したわよ。 もう大受け!! 素晴らしかった! 誰が書いたかは謎のまま。 もはや「伝説の」フェイクニュース…。 ユーモア、ひいては知性、ってこういうのを言うのよね。 誰でもわざわざ興味のないニュースなんか見たくない、どんな真実でも耳に痛い記事より自分が望むような内容だけ見るのは個人の自由だ。 でもそれだけじゃだめでしょ。 知性はどこへ行った。 どうにでもなれ、ってうんざりする時もあるけど考えるコトをやめちゃ、本能的に「やばい」って思うよ。 良薬は口に苦し、諫言は耳に…と言うではないか。 せめてホンモノと偽物の区別くらい、ある程度つく知性は身につけていたいものだ。 それを「哲学」というのではないか。 50年(以上だろ!)も生きてきたのだからさ。 …と言いつつこの文章、無駄に長くはないかしら… 心配。
P.S でもあの顔見るのいやだあ〜〜 あのオレンジ色の顔、赤いネクタイ〜…… オバマさんが懐かしい…。