夏子
…梅雨が明けてもいないのにこの暑さ。 最近はあまりはっきりとは「梅雨明け宣言」とかしなかったんだっけ。 まあ宣言があろうがなかろうが、暑さはどうにもならず…。 でも先週よりはだいぶ身体が暑さに慣れてきたような。 テレビで言ってる通りだわ。 昔はそんなコトを意識することもなく、夏は平気だったものを…夏子だし。 トシのせいか…ヤーネー。苦笑。 NHKBSのニュースでいい特集を観た。 何でも、ウクライナの貴重な歴史文書の修復・保存に四国徳島県の和紙がとても役にたっているそうな。 文書の紙は経年劣化に加えて1年以上続く戦火による物理的消失だけでなく、自分たちの文化、歴史、ひいてはアイデンティティの存続すら懸念されているという…。 爆撃なんかくらったらひとたまりもなさそうなボロボロの紙だ。 (データ保存はしてあるだろうけど) その「紙」の重さは何となくわかる。 そしてその「紙」を何としても守りたいウクライナの人々の思いも。 そこでその四国の和紙だ。 阿波和紙、って言うんだって。 様々なツテをめぐってリビウに届いたその和紙を、ウクライナの公文書館の女性がいとおしそうに手にとって、 「なんて美しい…こんな素晴らしい紙を贈っていただけるなんて」 本当に美しく、薄く、そしてとても強い紙… それが歴史文書の修復に最適なんだそうだ。 和紙はとても高価で、とても手が届かなかったらしい。 それを使うと修復の作業効率がとてもよく、しかも仕上がりはすばらしく。 出来上がりがいいと作業がとても楽しいんだよね、きっと。 いいコトずくめのこの和紙。 修復に必要な1年分の和紙を提供した四国の職人さんたちと、(費用は行政などが負担するそうな)ウクライナの職員さん(なぜだか皆女性…あ、男性は兵役なのかな…)がリモートで対面する様子をリポートしていたんだけど。 その和紙職人さんたちの表情がとても素晴らしかった。 ごく普通の日本の職人さん、男性もいれば若い女性もいる… みんな目を輝かせて、イキイキと、そして誇らしげだった。 自分たちが丹精した最高級の美しい和紙、それがウクライナの支援に役立っているなんて! 顔中の筋肉が「うれしい!」って言ってたな。 言葉よりも強く語る。 見ている私もうれしかった。 あ、日本のものつくりの質の高さよ、伝統の技術の確かさは、世界に誇るべきものだろう…。 ウクライナの女性たちもそれは同じで、眼は「感謝」と「敬意」でキラキラしていた。 こちらも顔中の筋肉が「ありがとう!」って言ってたよ。 インタビューもあったけど、言葉は付けたしなくらい。 お互いの顔と顔で、会話していたなあ。 「ほんとうにありがとう!」 「こちらこそ!お役にたててうれしい」 「なんて美しい紙!日本の和紙なんて高くてとても買えなかったのよ」 「いえいえ、私たちの和紙がお役に立てることができて」 「大切な紙、大事に使わせていただきます」 「私たちもこれからも作り続けますよ」 …はやく戦争が終わりますように ……こんな感じだろうか? 共通するのは強い使命感。 国も言葉も違えど。 「使命感」があると、人は本当に強くなれるものなんだよね。 ほんと、通訳越しで言葉も交わしていたけど、言葉よりも表情が「雄弁」だったわ。 それが見る方にもしっかり伝わってきた。 「武器とか金銭だけでなく、こういう支援もあるんですね」とキャスターがコメントしてたけど。 実際いつもいつも、日本には「経済援助」ばかり求められる印象だったからなあ。 さすがこういうのはNHKならではですね。 ホント、日本の職人さんは素晴らしい…。 いい映像、素晴らしい特集でした。 …でもあの修復された「紙」も、ミサイルでやられた日にはひとたまりもないのかな …あっという間に燃えてしまいそうだ。 両国の思いのこもった「紙」でも実際にはか弱い「紙」… なぜロシアの暴虐を止められないのか、無力さと虚しさでやりきれない。 悔しい。
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