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2020年4月30日

「無理だ!」

 いちいち文句言うのもうっとうしいだけど…。アイコン
ホリエモンが登山に関してなんか言ってるよね、「ばか」とか「笑」とか。
(外出自粛を否定的にとらえて登山を控えるなんて愚か、と)
この方は、おそらく登山なんかしたことないんでしょうね。
だからネットやテレビや、そこらへんで得た情報で何となく思った事をつぶやいているだけなんでしょうが。

 今年の夏山、南北アルプスを始めすべての登山を自粛しましょう、との日本山岳会(だっけ?)からの通達。
無理ない話だな…アイコン
トップシーズンの、北アルプスの山小屋は混みあって「3密」極まりない。
槍ヶ岳山荘とか五竜山荘や笠ヶ岳小屋とか、人気の山のベースとなる宿泊施設は、ほんとに普通に布団一組に3人、なんてのはザラだから。
そんなぎゅうぎゅう詰めの小屋で誰かが咳でもしようものなら…
オーコワ。
その前に、上高地行きや広河原行きのバスだって普通に全席満員。
もちろん中央線の松本行きだって普通に満員だろう。
登山だからっていきなり高原の風をあびるわけじゃない。
みやげもの屋にも寄るだろうしトイレだって借りる…
宿泊だって。

 稜線の山小屋は山岳救助の役目も担っているから満員でも登山者がきたら泊めないわけにはいかない。
(3000mの稜線上で、テントもなしの野宿は命にかかわる)
予約のみ、という山小屋もありますがすごく少ない。
まして、小屋だけでなく行動中体調をくずしたり熱が出たら?
すぐに下界に下りられるものではない。
倒れている仲間に2メートルの間隔を?
無理だ!
ヘリで下すしかないし、それも夜間や悪天候の時は普通でも救助は無理!
無理!無理!アイコン

 また登山道、人気の百名山や鎖場は時に渋滞も起こる。
(せかすわけにもいかないけど待ち時間が長くなるとその後の予定が狂って
 くる…
 これはコロナに関係はないですがね)
2メートル間隔を開けなさい、と言われても難しい箇所だってたくさんある。
自然が相手だし。
もう無理!

 また飲み水も限りがある中では手洗いは充分にできようもない。
せっけん使用禁止のところもたくさんある…。
ちょっと想像しただけで、「無理だな」って経験した事がある人ならすぐわかる。

 そう、今年は無理なんだな。アイコン
いつもは早起きがやだーとかぐだぐだ言ってるけどいざ登れないとなると寂しくなる…。
「暑いー」「足痛いー」なんて文句いいながら登れた事が今となってはなつかしく、せつない…。
あのひんやりとした山の風が恋しい…
朝の山のにおいが…
でも猛暑はいやだ…笑。

 今年は雪が少なかったけど一度くらいは滑れるかな…と思っていたらスノボもだめだった。
スキー場は早々にコロナの影響で「自粛モード」に。
滑降自体は問題はないかもしれないけどスキーハウスとか駐車場とか…。
とにかく人がたくさん集まる状態はね。くすん。

 せめて日帰り登山くらいはいいかなあ、と思ってたけど。
車で行って、売店にもまったく寄らずに地元の人にはいっさいかかわらなければ…とも思いましたが万が一遭難したら、と思うとね。
昨年スキー場で遭難したし(!)近場の山では遭難救助現場も目撃して、ああいう場面では接触を避ける…なんて余裕はまったくないです。
時にけが人を背負わなければならないし。
もちろん遭難を避けるためにできるだけの装備や準備をしてはいますが本当に、ふとしたタイミングで思いがけず事故は起きてしまうもので。

 そういうコトを考えたら、やはり今年は…ね。アイコン

 ホリエモンは「人気のない山行けばいいだろ、ボケ」とつぶやいてましたが
(まったく一言多いのよね、この方。ボケ、はよけいでしょ…)
人気のない山とはいえ、そこなら登れる、となるとやはり登山者が多くなるのは容易に想像できます、ボケ。
そして「えっ、この地味な山で渋滞??」って事になったら…ボケ。
最近の海水浴場とかのニュース聞くと、ね…ボケ…。

 気になるのは山小屋の維持とか管理とかの問題。
登山者ゼロとはいえ、やはり登山道は手入れをしておかないとあっという間に荒れてしまうもので。
クマザサとか、いつもはあまり意識しないけどシーズン前にはちゃんと刈っておいてくれてるんだよね、林道の整備も。アイコン
いつだか千葉の山で地元の人が多分ボランティアで清掃してくれていたもの。
「やはり毎年人が山に入って正しく手入れしておかないと生態系が狂ってしまうんだ」とも聞いた。(これは山梨で)
植物にも、繁殖力の強いやつがいるんだって。
「ヤブカラシと言ってね、このツル、ほおっておくと他の木をだめにしちゃう
 んだ」ってナゾの植物を刈っていたっけな。
(これはまた別の山で)

 シカが繁殖するとシカに付くヒルとかダニも繁殖する、そうなると里山にも少なからず影響も出て来るだろう…。
人間が立ち入らなくなれば、熊の天下になるだろうか?
それは本来の自然の形なのか、それとも歪なものか…。
猿も熊も、人間がいなければ「おう、俺らの邪魔する奴らはいないゾ」とばかりのびのびするのか?…
たぬきはぽんぽこお腹をたたいて踊るかな。
ヤッホー♪って…言うワケないか、ボケ。笑。

 取りあえず山小屋で生計をたてている人達の生活はどうなるのか。
もし「クラウドファウンディング」みたいなもので応援できるならぜひしたいです。
立ち上げてくれないかなあ、ぜひ。アイコン

 

夏子

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
2020年4月23日

「日々是コロナ…」

 毎日うっとうしいニュースばかりだけどちょっといい話をしよう。アイコン

 私は小さいけど物件を持っていて、中国人と台湾人のお嬢さんに貸している。
二人ともまだ20代で、日本語はペラペラ、とても感じのよいお嬢さん達だ。
中国人のJさん。
仕事で本国と日本を行ったり来たりして元気で働いていた。
でも2月頃中国に帰った後、旅行をかねて地方(日本国内)に滞在してたのですが、ある日メールが。
「今(西日本の)○○に居るが、東京に帰っても大丈夫でしょうか?
(中国人の)私が部屋に戻って、マンションの人達が不安にならないか…
 もしそうならしばらく○○に居ますが」と。
私はちょうどその頃、日本でも市中感染が言われるようになっていたので
「今は特に中国人だからどうの、って問題じゃなくなっています。
 それにマンションで貴方に対して不平を言ってる人は誰もいませんので」
過度に心配することはないですよ、と伝えました。
ではもうしばらく○○に滞在して3月末頃東京に戻る、と返信がありましたがそれきりで。
だからもしかしたら中国にもう戻っているんだろう、と思ってたんですが。
すると昨日Jさんからメールが届いた。アイコン
まだ○○にいる、先日中国の知人からマスクが送られてきた。
ヘイウチさん必要なら送りましょうか?と。

 よかった、Jさん元気だったんだ。まだ日本に居たんだ…。
「私はマスクは大丈夫です。もし余分にあるんでしたらあなたの周りの、
 医療機関とかお年寄りの方に寄付すれば喜ばれますよ」と返信。
中国人のJさんがそういう行為をすればまわりの日本人の中国を見る目が大きく変わる、国家はともかく個人は違う、思いやりのある人は居る…
きっと喜ばれるしそれはあなたにも返ってきますよ…
といった内容をJさん理解してくれて、
「わかりました!そうします!」と。アイコン

 始めから日本に気を遣ってくれていることがうれしかったし今回マスクを分けてくれる、というのもうれしかった。
そしてJさん、
「国籍を越えて、一緒に乗り越えましょう!希望の光を信じて!」
うん、うん。
「希望の光」…普段なら絶対使わない言葉だけど今は素直に実感できるね。

 もう一人、台湾のRさん。
彼女も日本の学校が休みになってしまい、3月末に帰国するという彼女に、
「大丈夫?!日本帰りだとまずいんじゃないの?」
「ええ、2週間自主隔離にナリマスー」と笑う…。
そして私は布マスクを持たせた。アイコン
せっかくウィルスを抑えている台湾に、日本からウィルスを持って行ってしまっては申しわけない、羽田空港では充分気をつけて…
くどいほど伝えた。
「手すりとかさわっちゃだめよ、できるだけマスクをして、手洗いをしてね」
まるで親戚のオバサンかい…苦笑。

 そしてもう4月も半ばを過ぎ、東京は緊急事態宣言が出て学校が再開されるめどはたっていない。
このままもうRさん戻ってこれないんだろうな…と思っていたら。
今日電話があった。アイコン
彼女と彼女のお母様から。
お母様は何度か来日・滞在されて、面識もある…
美しくて日本語の達者な御婦人…
多分私より年下だあ!笑。
電話の内容は、「日本の知人に頼んで送金して家賃を払いたい」と。
「だってまだ学校だめでしょう?」
「イエ、オンラインで授業受けれてマスー」
そうか、日本に戻るつもりなんだ…
戻ってきてくれるんだ…。アイコン
なんかすごくうれしかった。
日本を発つ時に彼女に差し上げた私の(自慢の)マスク、淡いピンクと、お母様には薄いラベンダー色…
それはホントにきれいでやさしい手触りの布マスクなのよ♪
お母様は
「とても綺麗なマスクいただきマシテ…
 見ているとうれしくなるので飾ってある」
してくださいよーー!笑。

 ひきこもっていると、思考がどうもネガティブになってしまう、でも若いお嬢さんたちはまだまだ希望にあふれている…。
素直にうれしい。

 もう一つ。アイコン
凄いなあ、と思ったことが。
アナウンサーの赤江珠緒さん。
もちろん知り合いでもなく、ニュースで知っただけの情報にすぎませんが。
赤江さんは陽性となり、陰性の2歳少しの娘さんを親戚に預ける事も考えたそうだが結局自分と一緒に暮らす選択をした、という。
預けて万万が一ウィルスを拡散させるリスクを危惧した、つまり最悪の事態は(感染)自分のところで食い止めようと。
娘と一緒に居よう…。
これ、凄い決断だなあ…
感動とかじゃなく、圧倒される。
「母の愛」というものに。

 私は「母の愛」なんて一皮向けばグロテスク、なんて思っているヒネクレモノですが今回はストレートに胸に、心に落ちて来る。
まだ2歳ちょっとの娘さん、母と一緒にいられる事は何よりだろう。
一緒の安心は離ればなれのストレスに勝るかもしれない…
免疫にもきっといいだろう。
素人ですがそう信じたい。

「繭」の中にふたりきり…
ママはいつもそばにいるよ、一緒だよ。
産まれた時、初めてのお乳を与えた時のように
もう一度ママがあなたに免疫をあげる…。

 赤江さんを批判する人もいるらしいけど(そんなニュースはいちいち見ないワ)私は凄い人だなあ、と思う。
この決断を下せた人だもの、その知性と愛情できっとうまくいくだろう…と。
祈っている。
きっと大丈夫…
何の魔法も使えませんが…。

 

夏子

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
2020年4月16日

「日々是マスク」

 世界中でこんなにマスクの需要が高まるなんて、こんな日が来ようとは誰が予測しただろうか…。アイコン
各国ですさまじいマスク争奪戦が起きているようだ…。

 で、相変わらず地道にマスク作ってます。
もちろん自分でも使ってる。
洗うし。アイコン
友人知人に100枚以上、(数えるの面倒に)、友人のケアマネさんの事業所向けにも100枚以上、多分。
で、今月からは別の小学校の先生やってる友人を通して小学生低学年の子供マスクなどを。
これも100枚以上作ってすでに郵送しました。

 子供用っていうのは作るのが楽しくて♪
カラフルなガーゼ生地(無地のガーゼ生地はとっくに払底)を手に取り、男の子用、女の子用、とか考えて裁断・アイロン・ミシンかけ…そして仕上げまでの過程は身が引き締まる…。
もちろんミシン目が乱れていたら絶対やり直す…
検品も怠らず…笑。
出来上がりがまたクールで。
私のは「ちょっと見」には手作りってわからないのよ♪

私のクールなマスクたち♪

 介護も教育も、コロナ前から苛酷な状況なのは聞いていた。
非常事態宣言が出ても彼女たちは休めない。
私は引きこもれる。
せめてマスクくらいアシストしたい。
作るの上手いしね、実際。笑。
友人たちは「マスク作りの天才」と称賛してくれた。
おいら天才だ!笑。アイコン
漫画も上手いんですが…
天才ではないけど。苦笑。

 安倍ちゃんのマスク、よくない報道ばかり伝わるけどあれだってないよりましですよ。
(全然自民党支持ではありませんが)
昔はマスクっていったらあれしかなかったもの。
ちょっと小さいらしいけど…苦笑。
洗って使えることがどんなに安心か。アイコン

 浦沢直樹さんが揶揄したイラストで物議をかもしてたけどね。
思うに、浦沢さんイラスト描けちゃったものだから取りあえずアップしたのでは。
(漫画家の本能だからね。描いたものは見てほしい…)
でもあれくらいは漫画描きなら誰でも描けるわね。
まして浦沢さんほど画力のある人なら。
私も以前にゾゾの前澤元社長の似顔絵が何となく描きたくなって、描けちゃったものだから知人に見せて喜んでたけど。
大した出来ではなかったかな…。

 もう店頭からマスクが消えて2か月以上?
町行く人のマスクがだいぶ疲れてきたようで。
1日で使い捨てにしてる人はほとんどいないだろう。
うちのマンションの1階の飲食店の店員さん達も、見かねて私のマスクを差し入れした。
洗い替え用に2枚づつ計8枚。
「マスク全然なくて…本当に助かりました…」涙ぐんで…。
「洗えるんだよ、…がんばってね」
彼女らも休む事はできない…
せめてこれくらい。
お礼に餃子とチョコレートもらっちゃった。アイコン
(物々交換かい…次はお米か野菜か…笑)

 浦沢さんは多分マスク洗った事なんかないでしょうね。
でも安倍ちゃんのマスク、届いて喜ぶ人はたくさんいると思うよ。
登山とかで里山に行くと集落があって、そこに住んでいる人だって買い物とか病院とか行く、でもマスク並んで買うのは不可能でしょ。
ほとんど店にもないけど。
そういう人達(とりわけ高齢者)に届くなら、喜ばれるよ、きっと。
懐かしい白マスク…
性能では少々劣るかもしれないけど、あれだって誰かがミシンを踏んで作ったものだよ。
あれだけの材料を調達するのだって大変だったと思う。
(おかげで近所の店には一時期全然入荷しなかった…クソ…)
白ガーゼはもちろん特に、マスク用のゴムだって。
意外とゴムが貴重で。アイコン

 浦沢さんはミシンは「踏む」って言い方をする事も多分知らないだろう。…

 ま、安倍総理ももう少しうまく発信すりゃよかったのにね。
まるでメインディッシュみたいに「マスク2枚!」なんて大げさに発表するから揶揄されて…
デザートみたいに何気なくアナウンスすればよかったのに。
そこらへん、ヘタクソだったかな。

 でもマスク、有り難いよ。
小学校にも優先的に送られる、って聞いて私ホッとしたもの。
よかった、私のだけじゃとうてい足りるものでもないし。
貧しくてマスクなんてとても用意できない家庭もあるらしい、一人だけマスクなければせつなかろう…。
待ってて!
私のマスクはカワイくてキレイだよ!

 その教師の友人C子曰く、職員会議で校長先生
「手作りマスク50枚用意するように」
先生がた呆然
(…無理だよ…材料手に入らないよ)
友人C子挙手、「私の友だちが取りあえず100枚ほど、作ってくれました!」
すると先生一同「おおっ!!」ってどよめいて拍手してくれたんだって。
よかった。
ただでさえくたくたの先生達を一つ助けられた。
「手作りのもの、って本当に子供たち喜ぶんだよ、表情がぱあっと明るくなる
 もの。
 自分達を気にかけてる人がいてくれる、ってこと、子供たちは理解できるん
 だよ、ありがとう、ほんとうになっちゃんありがとう!」と友人C子。
ベテラン教師、私が出会った中で誰よりも男らしい(?)友人C子の言葉は強い。

 いえいえ、元気をもらったのは私の方です。アイコン
私だって時々不安や妄想に襲われることもある。
それは波のように。
ひきこもっているのは寂しいけど安心だ。
安心だけどさみしい。
でもマスクを作っていると、なんかホッとする。
子供用は特に。
必要とされている、このマスクを待っている子供がいる。
この非常時でも元気で健やかな子供達…その子達が元気でいればきっと大丈夫だろう、と。
…何が大丈夫なのか?

 世界が破滅することはないだろう。
この空が落ちてくることはない…。

 普段は子供とか興味ないけど(笑)マスクを通じて実感できる…
希望とか、信頼というものを。
この文章を書いている時も、つかの間 力がわいてくる。
私の方がお礼を言いたい。

 

PS.
 材料はちょこちょこ手に入るの。
 品薄で制限あるけど近所のいつものお店とか、ネットとかで。
 ネットでは「入荷一か月先」とかだけど念のため購入クリックしておいたの
 が忘れた頃に届いたり。
 まさかこんなに長引くとは…。

 

夏子

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
2020年4月8日

「明日の虹」

 うっとうしい毎日なのでたまにはよかった話などを。アイコン
昨年の秋ごろにちょっとはまっていたアゲハの幼虫の飼育。
最初は1匹だけだったけど餌(キンカンの葉)を食べる様を見るのがおもしろくて屋上のキンカンの木から何匹も捕獲して育てた。
台風の頃か…。

 キモイんだけど美しいライトグリーンに魅せられ…
ゾクゾク…
一生懸命育てたものだ。
もちろん初めての経験。
黒い幼虫から青虫に変態し、そしてさなぎ…
見事な自然の「完全変態」のプログラミングに圧倒されっぱなしだった。
8割方さなぎから羽化して秋の終わり…
あまりいい時期じゃないんだけどどんどん蝶になっていったっけな…。
とりわけ一番最初の一番大きな「イモ太郎」は一番にさなぎになり、そして一番大きく美しいアゲハ蝶になって世田谷の住宅街を飛んでいくのをまるで母親のような気持で見送ったものだ…ははは。
もっとも、もう冬の始めでこんな時期に蝶になっても果たして…って感じだったけどね…
でも止められなかったし。
自然の営みは。
寒い雨の日、ほとんど飛べずに死んでしまったコもいたっけな…涙。

 そして3つのさなぎは羽化せず、どうやら越冬になってしまったらしい。

 冬中玄関外に置きほとんどオブジェみたいになっちゃった。アイコン
あまり大きくないし黒っぽく、干からびた枯れ枝みたいになって
「このコたちはもうだめかなあ…越冬は通常の羽化よりも難しいらしいから…」と半分以上あきらめ、ほとんど忘れていた。
そしたら。

 そしたら先々週くらいのある朝ケースを覗いてみたら。

 蝶になってたの。
少し小ぶりだけどりっぱなアゲハ蝶になっていたの!アイコン

 コロナで重苦しい毎日の中でぱあーっといきなり視界がキラキラ輝いたようだった。
「ああー、きゃああ!!♪♪!!!」
と思わず叫んでしまったよ。
あの驚き、感動…
なんか励まされているようだった。
アゲハに…虫けらに。
友人知人に「越冬組のアゲハ羽化したよー!!」とメール、すると「ええっ、ほんと!?!?」
みんな我がことのように喜んでくれた。

 翌日の朝にも追うようにもう1羽、羽化。アイコン
翌々日の最後のさなぎは残念ながら羽をうまく伸ばせず、飛び立つことはできなかったが。
死んじゃうのかな、って思ってどうせなら生まれた場所で…って屋上のキンカンの根元に連れていった。
「おまえはここで産まれたんだよ…」って昨年から用意しておいた花の上にのせると、飛べないのにしっかり私の指にしがみついてきた。
もぞもぞ、一生懸命足をバタバタさせる!
飛べないだけでまだまだ生きてる!
生きようとしてるんだよ。
あの感触、かすかだけどしっかり花にしがみついた昆虫の命の強さを忘れない。
あのコは花の上で飛べなくてもしばらく生きていたと思う。
花の蜜は吸えただろうか。
翌日は強い春の風…。
飛ばされていったか…
できるなら鳥とかに食べてもらえたらいいかな、と思う。
だってあのコ胴体はプリプリして元気で美味しそうだったもの。(苦笑)
鳥が食べてくれればそれはそれで食物連鎖、「命を繋ぐ」ことになるだろう、と。
せめて思う…。

 私のアゲハのイモちゃんたちは黒い幼虫から青虫になれたコは全員蝶になれた。アイコン
すぐに死んじゃったコもいたけど、まあまあの確率らしい。
また来てくれるだろうか?
新しいキンカンの苗も植えて待ってる。
次も飼育するかな?
でもけっこう気が散るのよね、おもしろくて。笑。

 ひきこもる日が続くけど(ま、漫画家は普段から…苦笑)ここ数日は春の日差し、さわやかな風。
気が付けば屋上のひめりんごが満開。
甘酸っぱい香り。
生垣のジャスミンはもうつぼみを膨らめて、明日にも咲きそうだ。アイコン
近所のいつも見事に咲くモッコウバラ、今年も小さくて黄色い花が競うように。…
ウィルスにおかまいなく春は今年もやってきた。
ホースで水を撒いたら虹が映った。

 自粛の日々、東京にふたたび虹がかかりますように。
日本に、世界に。アイコン

 

夏子

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
2020年4月2日

「フランス便り」

 もちろんフランスに滞在してるわけではございません。笑。
もう3月も終わろうというのにまだマスクを作っているとは…。アイコン
そろそろ出回るだろう、菅官房長官もそう言ってるし…
さすがに来週には…
でもまだ全然出回らない。
医療機関でさえ不足してるというから一般に出回ることは当分ないかも…。
花粉の季節が終わり(私は花粉症じゃないけど)、夏になってもまだマスクの需要があるのだろうか。ふうう。
材料はちょぼちょぼと手に入るけど…。

 毎日時間を見つけてはマスクを作っている。アイコン
日本のニュースはちょっとうっとうしいからCNNとかを。
CNNのアメリカはもっと苛酷なんだけど…。
欧州も同じ。
テレビの中に「過去と現在と未来」がモザイクのように散らばっている。
年明けは武漢を眺めて、2月はクルーズ船、そして3月は欧米で…。
まるでデジャブみたいにちょっと前みたいな日本とよく似た状況や情報があったりする。
「手をよく洗って」「マスクをして」「他人との距離を」…
そうそう、そうなのよ、万国共通ね…。
そして比較的こらえている日本に対して、「浮かれてる!」「花見なんかして!」「信じられない!」の批判。
アメリカから言われてもねえ…。
中国や欧米の声は「過去」からなのか、日本が「現在」なら、欧米の惨状は日本の「未来」なのか。アイコン

 日本が検査数をしぼっているのはひとえに「医療現場を守るため」だ。
もしほんとに潜在陽性者(たしかにいるだろうけど)を意図的に無視してたならとっくにオーバーシュートしてただろう、とは専門家のコメント。
なぜまだ日本がギリギリふんばっていられるかは今の段階じゃはっきりとはわからないけど…。

 東京は大都市だから無傷で済むはずはないと思っていた。なんたって人口が多いもの。
1千200万くらいだっけ?
人口密度だって昔から世界でトップクラスだって習っているし。
人が多けりゃ感染も多かろう…。
私は自営業だからほとんど電車には乗らないし人込みに出ることもない。
(今年は雪が少ないから滑りにも行けないし…)
出かける気分にもなれないけど…。
もちろん手洗いなど充分励行してる。

 専門家先生が言うには多分これから数は増えて来る、そのカーブが欧米みたいに急なのか、それとも穏やかに堪えて、時間を稼げるか。
時間を稼ぐ、というのは医療機関の準備を進めておく、ということらしい。
これは始めから一貫してる。
備品を備えるのはもちろん病院間の連携、動線の確認やらいろいろ。

 ですから。

 若い人にじっとしてろ、というのも酷かもしれないけどせめて今だけ自粛してくれないかと願う。
勉強とかしたらどうだろう?苦笑。
CNNで、毎日欧米の看護師さんたちが「お願い家に居て!」って泣きながら訴えてるんだから。
ろくなマスクもなしで。アイコン
バンダナを代用していたお姉さん、「ああ、私のマスクを送れたら…ドラえもん助けて!…」と胸を痛めつつ手はマスクを作る…。
彼ら彼女らは家族に感染の恐れがあるから家に帰るのも控えているそうだ。
その状況は1月の武漢でもレポートされてた…
ここにも「過去」と「現在」のモザイクが…。

 そしてフランスやイタリアからやさしくて哀しい「過去からの声」が届く。
「ねえ、日本はまだ間に合うのよ、家に居て。私たちはもうもどれないけど…」

 彼らも「過去」にもどれるものならどんなにかもどりたいことだろう。
もどって、やり直したい、あの時出かけなければ…ってどんなにか。
日本はまだ間に合うのよ…。

 まだ間に合うと思う。
「過去からの声」を聞いて、「未来」を変えることができるはず。
本当に、切に思う。
いろいろ厳しいニュースの中でひとつうれしかったものが一つ。
(NHKでやってた)
クルーズ船(ダイヤモンドプリンセス号…なんか遠い昔みたいだ)で自衛隊がサポートしたのだけれど、ただの一人も感染者を出さなかったそうだ。アイコン
感染症対策のマニュアルに則って正しく対処すればさしものコロナも取り付けられないと言う事だ。
マニュアル通りのグラブやゴーグル、防備服を正しく身に着けていれば。
緊張と余裕。
コメントしていた自衛隊の隊長も冷静だけど、少しだけ頬が紅潮してそして誇らしげだった。
私もうれしい。
余裕を持って備えられれば。
その時間を稼げれば。
きっとコロナに負けない…。
日本が耐えられれば他の国を助ける事だってできる。…

 しかし「コロナ」。
専門家曰く、
「無症状の感染者が移すんです。そして2割の人が重篤に。これがこのウィルスの怖いところなんです…
それにしてもこのウィルス……
すごいな」
その言い方がなんとなく「感心」してるみたいで怖いけどなにか可笑しかった。
専門家のコメントっておもしろいね。
科学者だから冷静で時に残酷で。アイコン
そして「人類はいくつものウィルスと戦って乗り越えてきました。」だから大丈夫です、と受け取りたい。
楽観はしてないけど。
(ま、引きこもりは全然OKなのよね、漫画家は。苦笑)

 

PS.
 これも海外ニュースでキャスターが。
「これだけウィルスが席巻していても旅行に行きたがる人はいるもので…」
 欧州のどこかだと思うけど若い夫婦が二人の子供を連れて旅行へ。
 その30代くらいで金髪ロン毛のママ曰く、
「みんな騒ぎ過ぎよ。インフルエンザみたいなものじゃないの。
 かかる時はかかるわ。
 だから何なのよ、そうして免疫ができるんだから!」
 飽きれるを通り越してもはやアッパレか?アイコン

 もう一人、どこぞの首相夫人。
「なんでー?何でお花見に行っちゃいけないのよー?ぷんぷんッ」
 むしろ夫氏に同情。
 どっかに隔離しておいて。

 

夏子

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
 
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