「まんが寺子屋便り」
すっかりリピーターになってくれたKちゃんとMちゃんの姉妹。 二人とも小学校1年、と3年か4年?のお嬢さん。 お姉ちゃんのKちゃん、参加2回計6時間くらいをかけて一生懸命フルデジタルで描きあげてくれた。
淡い雰囲気と可愛らしい表情が素敵。 フルデジタルで何度も何度も描いては消して、悩んで描いてはまた直して… 時々講師が「Kちゃん描けてるよー?」と励ますも 「うーん…」と推敲を重ねる… 隣で妹の「恐るべし画伯」Mちゃんがどんどん傑作・怪作を描いている…。
凄い! 相変わらず講師をうならせる小1の「天才?」Mちゃん。 コピック着彩に、背景はデジタル色を本人が選ぶ… もう慣れたもの! ゴリラはお姉ちゃんが手伝っていたかな? さすがに輪郭線の正確さはお姉ちゃんが勝る… それを「キャッキャッ」と楽しそうにコピックを操り、鮮やかな作品にあっという間に描いていった…恐ろしいコ! こんなに大胆にモチーフを迷いなく描けるのは素晴らしい… もしかしたら今だけの表現かもしれないけど。紙に小さく描いちゃうコの方が少なくないから、それだけでも素晴らしい。 楽しくてしょうがない!が伝わってくる。 怖いものなし?笑。 レモンせんぱい! このネーミングには講師も爆笑。 なんで? なんで「レモン」で「せんぱい」なの??と質問しても 「わかんなーい!」乳歯が抜けたばかりの1本欠けた前歯が愛らしい…。 大人たちは感心を通り越してむしろ驚愕…。 クリスマスのイラストははがきにプリントアウトしてクリスマスカードにした。 「ママにプレゼントする!」と。 赤いきれいなリップルボードに貼って、メッセージを書いて封筒に入れて閉じる… 「もうクリスマスまでは見られないからね。お母さんに開けてもらうんだよ」 「うん」 いいなあ、お母さん喜ぶだろうなあ。 格別だよ。 そしていつも付き添いに来てくれるお父さん。 お姉ちゃんの「小雪ちゃん」のイラストをプリントアウトしてお見せしたら、 「おお!すごいな、Kちゃん。 すごい、がんばったなあ、がんばった、すごいぞKちゃん… すごいなあ…!」 表情がパァーっと変わり、瞳が輝いた。 うちのコがこれを描いたなんて…! うん、Kちゃんがんばったよ。 何度も何度も描きなおして… Mちゃんとはまた違った取り組み方で。 一生懸命ただ1枚の絵を描いてくれた。 人気アニメのキャラクターをマネして描いたとしても学校やよその絵画教室じゃ多分全然評価されないだろう。 でも彼女が取り組んだ時間、6時間は彼女だけのかけがえのない時間…。 そして「ふうー…」ってようやく自分に「OK」を出した満足感は…。 子どもが6時間集中する、って考えてみればすごいよね。 算数や国語ならこうはいかないだろう。 好きな絵、好きなまんが、好きなキャラだから…。 いやぶっちゃけプロの漫画家でも6時間なんてもちませんよ、1時間もしないうちにゲームしたりコーヒー飲んで気を散らすもんだ…笑。 それにお父さんの喜んでくれた顔もうれしかった。 こっちもとてもうれしくなるんですよ。 あれは本当の驚き、本物の感動だと思うよ。 こんな人間の表情を見られるのは、もう寺子屋かM1くらい…笑。 思い返せばプロの漫画家になってからは「作品」以外の絵、つまり「依頼された絵」以外は1枚の絵も描いてないコトに気が付く… 30年以上? 自分のために自分が感動して純粋に描きたくて描いた作品がただの1枚もない事実にあきれるやら情けないやら… 本当に手元に原稿以外の絵は1枚もないんだよ!! もう可笑しいやら哀しいやら情けないやら…。 てなこともついでに思い知らされた寺子屋の日々であります。
夏子