夏子
「アカデミー賞」
…のウィル・スミスの平手打ち、の件。 ニュースでそこしか見てないしウィル・スミスのファンでもないしもちろんそのコメディアンも知らないので外側からの感想。 第一印象は「いいアングルだな、私が漫画で描くならあの構図で間違いない!」と思っちゃいました。 まるでハリウッド映画の1シーンみたいな、シンプルな絵面(えづら)。 ウィル・スミスの後ろ姿も手のひらのストローク(?)もきれいだし、ひっぱたかれたコメディアンの驚いた表情(間抜け面?)もあれでぴったりで。 あの場面では叩く方は後ろ姿、顔は出ない方が力強い。 ぶたれた方の顔を映すべし。 動きもシンプルでわかりやすい… 適正は構図…。 ま、これはあくまでクリエイターとしての感想ですので。 実際は「手を出したらアウト!」ですね。 私も暴力は大嫌いです。 メジャー野球なんかでも、抗議をする時の監督さんや選手は必ず手を後ろで組んで、絶対暴力は「自分からは」しない。 それは大前提で、すでに見慣れてますし。 しかし、そのコメディアンが嫁を中傷したから…てんだから。 ウィル・スミスに同情が集まるのは必然か…と思ってたら、あらあらそうではないようで。 ウィル・スミス旗色が悪くなっちゃった。 「暴力はいかん!」の大合唱。 あまつさえ「オスカーを剥奪しろ!」「犯罪だ!」と。 そりゃ法廷ドラマなんかだとそういうストーリーになりましょうが。 L&Oとか大好きなんでそれもよくわかる。 けどねえ。 そりゃ先に手を出したのが悪いよ。 でも正直悪口言う方がもっと悪いじゃん!って思っちゃったよ。 さらに違和感を感じるのは…。 ハリウッドってさんざんその手の映画提供してきたじゃん! 決して「暴力礼賛」じゃないよ、「男なら…」的なテーマのコトよ。 アクションでも人情劇でも、「家族を侮辱されたらだまっていたら男じゃない!」みたいな。 いつもいつも不思議に思っていたけどSF映画でもアクション映画でも、どんなに拳銃ぶっ放しても最後は「拳」で勝負つけてたじゃん! ニコラス・ケイジとショーン・コネリーの「ザ・ロック」でも(大好き、この映画)拳銃やナイフや、あまつさえ最強の毒ガス(VHだっけ?)を扱いながら最後はそれを捨て、拳で「こいよ!」だったじゃん。 ハリソン・フォードの「エアフォース・ワン」でも航空機の中でも最後は殴り合いで決着つけてなかったっけ? 他にもたくさんあろうかと。 この二つしかすぐ出てこないけど、昔から不思議に思ってたんだ。最後は「拳」なの。 拳銃あっても最後は拳。 ダーティー・ハリーはマグナムぶっ放して「ウウォー!」…ひでえ刑事だったな。 多分あれじゃ「違法捜査」で起訴できないよ… 知ったことか! 裁判なんて、そんなのどうでもいい!!か。笑。 そういうのを「ヒーロー」として、さんざん提供しておきながら…。 いまさらアカデミー会が、「暴力いけません!手をだしたらアウトです!」は…苦笑。 あれは映画の中の話、現実はいけませんよ! 何言われても、手を出したらいけません!!! かあ…。 ちょっと思い出したのはドイツW杯だっけ?フランスの、ジダンの頭突き事件ね。 たしかにジダンは即!退場だったけど、その後イタリアの選手が姉の悪口を言ったから、と判明して。 そしたら手のひら返すように「言ったやつが悪い!」て頭突きされた選手(マテラツィだったかな…)が謝罪するはめになり…。 誰も「暴力はいかん!」とは言わずに「家族を侮辱する奴の方が悪い!」「謝罪しろ!」「ジダンは男らしい!」って流れになっちゃったのよね。 あっちの方がすんなり、自然だと思ったけど。 もちろん私は暴力きらいです。 後輩のスケキヨも 「痛いのダメですぅ〜!もしそうなったら即ペラペラしゃべっちゃいます!」 「…そんなんじゃよいスパイになれませんよ」 「そうですね、よいスパイになれませんね」…苦笑。 私としては、「平手打ちならセーフじゃん」って思っちゃった。 もっとも、他に対処の仕方はあったとは思うけど。 ウィル・スミスのファンでもないので「カッコいい」とまでは思いませんが、「告訴すべき」とも思いません。 それにアメリカのスタンダップコメディってもっとエゲツないコト言うと聞きますし。 どんなに人を傷つけようとも「表現の自由」の方が上にくるようで。 私は「言葉の暴力」も同じくらい嫌いです… もちろんぶたれるのも嫌です。笑。 ま、法律というのは時に実も蓋もない、非情なもんですがね…。 とりあえず「ドラマ」と「現実」は分けて考えなくては。 しかしアカデミー賞ってそんなにスゴイのかな。 時々すごくつまんない映画が賞を獲ってるけど。苦笑。 10代の頃は純粋に胸をときめかしていたっけな…遠い…。