「ああ、剱岳」 ・・・とうとうこれを書ける日がきたのか。 憧れの、いや憧れた覚えはない、ひらすら恐怖でしかなかった剱岳に、ようやく登って来ましたーーー!!! (パンパカパーン!・・古いか・・・) 思えば3年前、「剱岳に登らなきゃならないらしい(?)・・・。」と室堂から剱沢に入り、さあ、という時に台風で中止となったっけなあ。 その時はとりあえずほっとし、でも「いつか登らなきゃならないんだろうなあ、気が重いなあ・・」とも思ってたんでした。 宿題を残している感じで。 別に百名山だからって律儀に全部登らなくてもいいじゃないか、楽しむための登山なんだから義務になったら違うんじゃないか・・・と思ってたけど、(つまり登りたくない、と) でもいよいよその百名山も残り2つとなり、さすがに今年登るんだな、登らなきゃな、と覚悟したんでした。 なぜそんなにいやなのか〜と言いますと、一応日本で一番困難な一般登山道でありまして、通称「カニの縦ばい」「カニの横ばい」なる難所があるんですよ。 結構スリルのある鎖場が。 できれば回避したいけど(?)そうもいかず、室堂から剱沢へ入り、山小屋で一泊、いよいよその日はやってきました。 50代、60代のおばちゃんだって登ってる、いつだか山小屋で一緒になった私より3倍くらい時間をかけて登っていたおばちゃんが、 「私遅くていつも全員に追い抜かれるの。でも剱岳だけは渋滞(シーズンピークでは 混んで、難所では渋滞が起こる)で、追い抜かされなかったのよ。」 と言ってたっけ。 あのおばちゃんが登れたのなら私が登れないことはないだろう・・。 結論から言いますと〜。 無事登れました。 10数箇所鎖場はありましたがほとんどは鎖につかまらなくても登れました。 さすがに「縦ばい・横ばい」だけはつかまらなけば無理でしたけど。 「縦ばい」の方は緊張したけれどそんなには怖くはなかった。「登り」は上だけを見ていればいいしね。 慎重に「3点確保」を心がければ。 ・・・しかし〜〜〜。 下りの「横ばい」は怖かった〜〜。 もう何度もガイドブックや写真で見て、そのたび怖さを増やしていた 「カニの縦ばい」。 「最初の一歩が中々怖くて出せないけれど、気合いを入れて足場を探せば大丈夫」 と、もう何度頭の中でくり返して・・・。 その一歩がなかなか出せない〜。 下を見て、下へ進む、という事の何と怖いことか。 今思うとぞっとするけど私、その一歩を出し損なって、ちょっと手でぶらさがった感じになっちゃって、あわてて足を直したんでした。 上や横、ならまだまし、下へ足を下ろさなければならない、というのは怖かった。 (マンションのベランダで、手すりをまたいで外側から横に伝い歩きでお隣へ渡る感じです。・・・怖。) そしてそのあと垂壁に設置された梯子段に移るのがまた怖い。 もう足ががたがた震えながらそれでも「ひとーつ、ふたーつ・・・」と大声で数えながら降りる。 22段。 もう声でも出さなきゃもたなくて...。 そこを過ぎて、ようやく一息つく。 ほっ。 「難所をすぎてから前剱あたりで滑落したりする人が多いので気をつけるように」と山小屋の主人に言われてたのでまた気合いを入れ直し、さらに緊張して慎重に下りる・・・。 剱沢まで下りてようやく「ああ、登ったんだ、剱岳に・・・」と実感がわき、ほっとした。 あいにく天気がいまいちでガスが多くて頂上での展望は見られなかったが、前日絶対降る、と予想で出ていた雨が落ちなかっただけでもラッキーだろう。 昼食を食べてさらに3時間ほどで室堂へ。 (結構しんどかった。帰りの登りはこたえるなあ) 途中すれ違った2人連れのお姉さん達、 「剱岳もう登ってきたんですかあ?」と聞かれ、 「もう、泣きそうだった。」 「私達も明日泣くのかなあ・・・。」と不安げに。すると私、 「大丈夫、ここで登るの」と胸を指す。 (翌日はその日より天気が悪かったはずだ。お姉さん達は無事登れたかな・・) みくりが池温泉に着き、ようやく登山が終る・・・。 ヤッター!!! 終ったんだ、剱岳に登った。 うれしいよりもほっとした。 もう登らなくていいんだあ・・・。 翌日、手や肩、身体中筋肉痛が出た。(その分足はそんなに痛くない) そうか、身体中で登っていたんだな、不格好に、岩にしがみついて。 P.S 99コ目〜〜。
夏子
暑いですね・・・。 先週梅雨明けはまだだったのにかなりバテ気味で。 夜中のエアコンの使い方がいまひとつで、あまりよい睡眠がとれず、ぐた、っとしてしまって。 それでも〆きりのことを考えるとやらないわけにはいかず、(ま、年中こんな感じだけれど) 「読み切り入れなきゃよかったかなあ・・・でも今さらどうにもならないし」 てな感じでやることはやったんですが。 ・・・そしたらね。 うふふ。 来たのよ、神様の救いが。 うふ、うふふふふ。 8月の〆きり(ビーラブの方)がてっきり2本だと思ってたらさ。 私の思い違いで、 1本だったんでしたーーーー!♪ ああ、神様はいるんだ〜〜〜。 ・・と思うくらいほっとしてね。 そんならあんなにカリカリやることもなかったなあ。 でもやったあとで気がついてかえってよかったのかな、もしやる前に1本だ、って知ったら気が弛んであんまり頭が働かなかったかも。 宿題が終ったみたいでよかったよかった・・・。 まあ、これから仕上げ作業をみんなでやるんだけどね。 ネームやペン入れに比べたら、気はラクなもん。 猛暑に負けずにがんばろう、みんな(スタッフ)もな。 自宅のすぐ近くに仕事場があって、ネームとか下描きは主に自宅でやるんだけど、今回はエアコンのきいてる仕事場の方に行きました。 さすがに暑いので一人の部屋でエアコン使うよりも4、5人いてエアコンを使う方がエコかも・・・ってわけでさ。 ・・というわけで読み切りも連載(再開の分)もただいま仕上げ中であります。 暑い折、みなさんも御自愛下さい。 ふうう。 P.S 「ポーニョポーニョ、さかなのこ〜♪」が頭をぐるぐるまわって困っている、 観に行ってしまいそうだ・・・」というスタッフのSさん。
「白いサタン」 やってきました、白いお嬢さん。 ・・・で、結論を言えば慣れました、3匹みんな。 最初は少々距離をとっていたんですがお姉さん猫たちも興味はあるらしく、 ちょこちょこ様子をうかがってたりして。 (みんな緊張して耳がアメリカンカールしてたのがおかしかった) で、チビの方は、というと・・・。 もう元気!ものすごい! 走り回るわお姉さん達を追い掛けまわすわ・・・。 走る、跳ぶ、ってオリンピックかい、って。 しなやかな身体でもうピチピチ! ですので名前は「ピーチ」になりました。 真っ白で、耳と口がピンクでかわいいので「さくら」とか「もも」とか考えていたんですけどね。 とにかく元気なんで、「よし、ピチピチのピーチだ!」ってことに。 ほんというと昼間なんか、眼が細くて宇宙人みたいで、日ハムの森本稀哲(ひちょり)にも似てたりして。 あと、白くてしなやかな身体で動き回る様は、妖精みたいで、 「コマネチ」って感じもする。 しかし・・・。 こいつ、ほんとにお転婆で、走りまわるわ、物はおとすわ、(水が好きで)便器に顏を突っ込むわ、その足で(!)台所に上り(!)鍋の油はなめるわ、ゴミ箱にはダイビングするわ・・・「コマネチ」というより「白いサタン」ですね。 もう美人がだいなし。 で、アメリカンカール、ラグドール、アメショ、と3匹そろうともう絵的にちぐはぐ! 一匹ずつだとすごく美しいのに3匹並べると(並ばないけどね)てんで絵にならん・・・。 共通点は・・・アメリカ猫、ってとこだけか・・・。 まあ元気ならいいか。 しかし洋猫ってやっぱりマイペースだね。 特別けんかもしないけど仲よくもしない。 猫同士一緒に寝たりもしないしなあ。 やっぱり雑種猫の方がかわいいなあ・・・あ、贅沢か。 P.S 先週末は八ヶ岳・北横岳に。 標高が高いので涼しかった。
「新猫入荷」 3匹目の猫が来てしまいました・・・。 飼うつもりはなかったのに・・・。 4月半ば頃。 近所にペットショップがあってさ、時々ひやかしに行ってたんけど、ある日、アシのKネコさんが、 「白のアメリカンカールが売れ残っている、もう1年になるのに」と言う・・。 (この時点でいやな(?)予感が・・・) 気になるからみんなでそのカールちゃんを見に行こう、という事になった(?)。 行かなくたっていいものを・・。 見てしまったらねえ。 (ここでさらにいやな予感) で、見た。 いた。 真っ白で小さくて、かわいいけどあまり人なつっこくない猫が。 すでに1才だったけどまだうんと小さい。 こんなにきれいな猫なのに売れなかったようだ。 お店の人(やっぱりカールちゃん、と呼んでいる)が言うには、 「抱っこされるのがだめで、そのせいもあって売れなかった。 やはり猫好きの人はおとなしくてかわいい猫を好む」とのこと。 アメショやロシアンブルーとかみたいに知られてない種だからかな。 とにかく売れ残ってしまった、このままここで飼って、子供を産ませようか、と思っている・・・と。 そしたらアシどもが、 「檻で飼われるなんてかわいそう、社長(私)が飼ってやらなきゃ〜〜」の大合唱。 みんな無責任だなあ。 そういえばこのアメリカンカールは見覚えがある、半年くらい前、ひやかしで見てた時に、 「へえ、めずらしい、アメリカンカールか。でもあんなにとんがった顏の猫は いやだな・・もし3匹めを飼うなら三毛猫がいいな・・。」と 思ってたんでした。 で。そのとんがった顔の猫を飼う事になってしまいました。 わざわざ見にいっちゃったらね・・・。 みんなも攻めるし。 カールちゃんも檻の一生じゃ気の毒だし。 ペットショップのおばさんや出入りの獣医さんたちは情が移ってしまっているらしく、 「カールちゃん、お嫁入りが決まったの〜〜」と 喜びながらも淋しそうだった。 ココアやグリコたちは手がかからない、楽な猫なので世話はそんなに気にはならなかったけど、2匹と折り合いが悪かったらどうしよう、引きこもったりしたら面倒臭いし可哀想だな・・・。 特にココアはえばりんぼさんだし・・。 で、その耳のカールした白いお嬢さんがやってきた。 さてどうなるやら。 詳細は来週。 P.S 日曜日、谷川連峰の平標山へ。 最初30分道に迷う。そのせいか少しバテた。
「達人発見」 先週の大阪取材こぼれ話。 2日目の夜、心斎橋の和食屋さんにて。 そこがとても美味しかった。 おまかせコースで1万円(酒別・決して安くはないけど超高くはない)なのでまあ、料理は美味しくて当たり前なのだろうが。 びっくりしたのはママさんの采配。 おまかせ懐石だからその日その日のコースメニューが一律に出てくるのかと思ったら・・・。 基本はあるのだろうが、客によって少しづつ内容を変えている。 不思議な事に、私が割と苦手だなあ、と思っていた皿が抜かれていた。 口に出してないよ、心で思っていただけなのに。 例えば「ハモ鍋は苦手かも」とか「もうお腹が一杯になってきたからウナギはちょっと・・・」とか。 そしたら別の皿がくる。 「和風グラタン」とか。 どうやらママさん、私が連れと話している事や、注文するお酒などから食の好みをプロファイルしたらしい。 そうとしか思えない! 梅酒を頼めば、「ああ、あまり飲んべじゃないのだな、ということは肴っぽいもの、珍味系は苦手だろう」とか「トロより赤身の方が好き」とかつぶやいているのを聞いて、この人はあまり「健啖家」ではないだろう、とか。 他の客が「グラタンある?」と聞いた時私が「え?」と反応したり、そういうポイントから察したのだ、きっと。 味の好みと、腹加減まで。 そして味はもう最高でした。 上品で、あたたかで。 ありきたりな言い方だけど「心がこもってる」。 素材も多分すごくいいんだろうな。 正直、銀座の某有名料亭(○むら、とか)より全然美味しい。 比べ物にならないくらい。 煮凝りなんて美味しくて皿までなめちゃったし、口直し(?)のコーンポタージュはまるでなめらかプリン、お腹一杯と思っていたのに最後の山椒御飯も全部たいらげて。 何か秘密兵器があるにちがいない、カウンターから見えるあの四角いおでん鍋みたいなもの、あれに秘密の出汁が入って・・・。 帰りがけ、カウンターを覗いて見たら・・・。 達人の手元には中くらいの雪ひら鍋がひとつあるだけだった。 四角いおでん鍋みたいなのを、「これはなんですか?」とたずねたら、「蒸し器です」と。 女優の市原悦子風のママさん、心斎橋の達人也。 こういうお店はきっとテレビとかにチャラチャラ出ないんだろうな。 もしもまた大阪へ行くことがあればまた行こう。 あ、お店の名前は聞くの忘れた。 でも場所は憶えているから。 P.S 「焼肉・小倉優子」を見た。 もちろん見ただけ。