「履くセーター」
昨年、編み物教室のおばちゃんから断捨離(?)のため不要になった毛糸をたくさんもらってしまった。先を考えると、たぶんもう編まない機会ないだろう、って。 段ボール4〜5個分くらい。(!) 編み物教室の先輩方は皆それこそ押し入り一杯くらい毛糸を持っている。 もちろん編むつもりで購入してたけど、タイミングがあわなかったりして未使用のまま置きっぱなしだったりしているようで。 ひと玉だけのものもあれば、7,8個そろっている毛糸も。 私も洋裁用の布とかは少しためちゃっている。 カワイイ布あるとつい買っちゃって… オカダヤは行ってはいけない…笑。 ついでに予備の編み機もいただいてしまった。 編むのは楽しいけれどさすがにこんなにたくさんはさすがに編みきれないかな、と思い、ウール100%じゃないものは処分させていただく…。 とりあえず、色のきれいな毛糸とか質のよさそうなものを選んで少しづつ試し編み。 最初はひざかけとか編んだんだけどあまり需要がない… そんなにおもしろくなかったし。 小物は達成感が少ないのよね…苦笑。 次に編んだのがレッグウォーマー。 しかも市販のサイズの2,3倍くらいある長―いもの。
これがとてもよかった!
伸ばせばふとももくらいまである、あったかいコト! あたたまりすぎたら下げればいい、いにしえのルーズソックスみたいでかわいい。 色をおしゃれにすれば外出にもイケそうだ。 外で動いていると段々身体が温まるけど、家の中って結構冷えるんだよね。 全部の部屋に暖房をつけるわけにもいかないし。 台所なんかも冷えるものだ。 ひざ掛けだと立ち上がるたびにとらなきゃならない。 でも履きっぱなしのこれなら動きやすくて。 トイレでもまったく支障ない。 タイツとか、インナーとかってたくさん履くとトイレでいちいちたくさん脱がなきゃならなくて面倒なのよね。 緊急(笑)の時とかタイツが丸まっちゃったりして。笑。 間に合わなかったら地獄だ…笑。 動きやすくて温かい! さながら「履く」セーターですよ! こういうの、売ってないから! これなんか、ガンバ大阪っぽいでしょ。 ガンバ好きの方に差し上げた… ぜひスタジアム観戦の時の寒さ対策にしてほしいものだ。
私もフロンターレ色で自分の編もうかな。笑。 スタジアムって風が吹きさらしで寒いのよね、選手と違って応援は座りっぱなしだから…。 冷え性の友人に一つ差し上げたらとても喜んでくれて。 自宅ワークの娘がうらやましがるだろうなあ、離れて暮らす母も… というのでいくつか編んで差し上げた。 毛糸代はかからないしこちらも大量にある古毛糸を活用できる。 (お母様のだけは実費をいただいて新品の毛糸で編んだ) さらに知人の知人用に。 だいたい女性はおしなべて冷え性で、そして働き者で。 私も、あてもなく編むより特定のどなたかに、という方が張り合いがある。 若い人向けには明るめのカワイイ配色で、年配の方には落ち着いた色合い、時々さし色に赤や蛍光色のモヘアなどでアクセントを付けて… とか考えていたら楽しくなった。 大量の毛糸を抱えて途方にくれていたが、よし、全部編み切ってやろう!と。 毛糸をくれたおばちゃんも喜んでくれるだろう…。 もう編まなくなった毛糸、でも未使用で巻かれたまま捨てるのはあまりにももったいない。 毛を刈られた羊やアルパカも浮かばれないだろう…。 もとはウール100%の高価な毛糸でお店に並んでいたはず。 捨てるのは簡単だけど… いや全然簡単じゃないのよ。苦笑。 こうして編んで、レッグウォーマーに生まれ変わったら。 毛糸玉のままでは誰も温まらないけど編んだら。 冷え性の女性の足元を温めることができたら! なんてすばらしい事だろう。 年末年始、憑りつかれたように編んだのよ。笑。 15,6本のレッグウォーマーができあがる。 自分でいうのもナンだけど、丁寧なお仕事で、満足のいくできばえで。 そして知り合いの知り合いに、そのまた知り合いに、顔も知らない方にすべて渡すことができた。 「母がとても温かいね、って何度も電話くれたの」 「デイサービスの人に、手作りだからどこにも売ってないのよ、って 自慢したって」 「義姉も、1日の仕事が終わって夜コーヒーを飲みながら読書するのが楽し みでその時とても温かい、って」 「色がとてもきれい、配色も素敵」 「手作り、っていいですね」 そしてみんな「とても温かい!」って!! 感想を伝え聞いて、私もとても温かい気分になったものだ。 とうとう段ボールが空になった。 この達成感!ふう…。 編むものがなくなって、少し寂しくなったが多分あまり毛糸はまだたくさん存在するだろう。 来年、きっとまた編もう。 「履くセーター」、一応オリジナル。商品登録でもしておくかな。笑。
PS. ちなみに、ウール100%の毛糸は少しづつ劣化するらしい。 元々は動物(羊)の毛。 自然の被毛には油分があり、時に水をはね、寒さから生物の命を守るという。 刈って、毛糸に生成されてもその油分は残っているのだが時とともに少しづ つ失われていくそうな。 確かに新品の毛糸の方が温かいんだけどね。
夏子
「ミープさんに花束を」
…「アンネの日記」を読んだ人ならこの名前聞けばすぐわかるね。 隠れ家のアンネ一家に食糧を届けていた人。 アンネ・フランクは第二次世界大戦中にナチスのユダヤ人迫害で2年間、隠れ家で家族とともに身を潜めていたオランダの少女、「ユダヤ人迫害」「アウシュビッツ」というものの、いわば「アイコン」みたいな存在ですね。 (アイコンなんて言葉では軽すぎるのですが…) だいたい小学校や中学校の図書室には必ず「アンネの日記」あったので私もそこで読みました。 そのアンネのお父さんの秘書だったのがミープ・ヒースさん。 ミープさんがアンネと家族(と、もうひと家族)を命がけで支えた…。 考えてみれば、「アンネの日記」が世に出たのもミープさんの存在があったからだろうな。 隠れ潜む彼らに食糧という「命のつな」を届け続け…。 ばれたら彼女も罪に問われただろうに…。 でもそれはある日「絶望」という形で終わるんだけどね…涙。 いつものように(想像)用心深く食糧を届けに来たミープさんが見たのは、もぬけの殻の隠れ家。 ああ、摘発されちゃった…。 その時のミープさんの心境たるや…。 アンネ達のいない部屋で、ノートや散らばった紙片を集めて、それが後にアンネの日記になったのだけれどそれを集めて、ただ一人生き残ったアンネのパパ、オットー・フランク氏に渡すのだけど、その時の彼女の心境たるや! どんな思いで紙片を集め、どんな思いで父親に渡したんだろうな。 お父さんはどんな思いでそれを受け取ったのだろう!… 後にその紙片は「アンネの日記」として編集・出版され、世界中に広められたのよね。 ミープさんが居たから「アンネの日記」は書物として誕生したわけで。 ちなみに、父・オットーさんの判断でいくつかあまりに個人的な個所は省かれた。 いくつかのバージョンがあり80年代頃か完全版も出たとのコト。 私が小学校の時はすでに小学校の図書室に普通に置いてあり、「アウシュビッツ」というものの悲劇を知る第一歩としてしっかり定着してたなあ。 少女雑誌でもしょっちゅう特集されていたし。 日記も読んだけど、伝記も読んだのよ。 中学校くらいかな、私はアンネという少女の勇気や強さに強く共感・感動したものだった。 そして彼女の悲劇がすごく悔しかったっけな…。 ホント言うとなぜ世界の「ユダヤ人」が斯様に迫害される存在なのか説明されてもイマイチよく理解できないのよね、理屈ではなんとなくわかる気もするが生理的・感情的なところで… どうして同じ人間が人間を… わからん。 私が子供の頃はお父さんのオットー氏はまだ生きていたんだよ。 時々テレビのニュースとかで見たもの。 あの笑顔… 今でも覚えているよ。 妻も子もすべて亡くしたのにあんな笑顔ができるのか… 知性と人柄が伝わってくるような柔らかな、温かい笑顔だったな…。 お父さん、確か(ユダヤ人だけど)ドイツの将校さんで、事業も成功していていわば名士だったのよね。 伝記では戦時中、フランク一家を迫害するSSの若造がオットー氏が将校であることを知って「え?え?何で??」ってびっくりして、摘発は免れたシーンがあったっけ。 本来ならおまえなんか足下に及ばない方なんだよ!!って読みながら私、 ちょっと気持ちよかった。 ま、でもね、結局摘発されちゃうんだけどね…涙。 そのアンネ一家を密告した人間が判明した、というニュースを昨日見た。 状況証拠のみで推測で、もちろん立件できるはずもなく、当人もとっくにこの世にいないだろう。 でもその人間の「名前」ははっきり報道してた。 もしかしたら近親者が見たら、気分はよくないだろう…。 それにいまだに欧州の歴史学者は「密告者は誰か?」を検証しているんだね。 今でも「元ナチス」を探し、世界の果てまで追い続けているし。 時々「逮捕」して「裁判」もしているらしい。 そういう機関がバリバリ現役なのもすごい… さすがというか。 資金は潤沢なんだろうな。 「元ナチス」も摘発したところでもう90歳をはるかに超えたヨボヨボだけどね。 で、そのヨボヨボをつるし上げたところで、ほとんど何も覚えていないかな。 「アイヒマン裁判」とか「アイヒマンの実験」とかを読むと、南米でとっ捕まえたナチス高官のアイヒマンはおどろくほど小柄で弱弱しい男だった という…。 戦時下とはいえあれほどの所業をしでかしても、当人は拍子抜けするほど罪悪感はなく、「戦争中だから仕方なかった」と言うばかりらしい。 そういう心理を検証したのが「アイヒマンの実験」らしいんだわ。 つまり、極限状況になると普通の人間がたやすく極悪人になってしまう、という。 そうしなければ生き延びられないから一種の「防衛本能」とか。 それも怖いね。 暴力そのものも怖いけど、集団心理はもっと怖いかもしれない。 アンネ一家を密告した人間はユダヤ人で、自分の家族の安全と引き換えに密告せざるを得なかったのでは…と。 でもミープさん、のような人も存在した。 あ、「アンネの日記」では少女アンネは架空の友人「キティ様」を作り、その彼女に語り掛ける形式なのよね。 「キティ様」で始まる文章、初めて読んだ時は少し違和感を感じたけど今思うとこれは上手い方法だと思うのね。 だって「私はこれこれこう思う」と一人称で書くより「ねえねえ、聞いて聞いて」って話し言葉でつづった方が生活感や臨場感が増して、よりイキイキと表現できるんだよね。 それを選択したアンネの才能に感心するね… だって漫画ってすべてこの方法だもの。 だから読みやすく、伝わりやすいの。 基本、「会話」だから。 ちなみに脚本家の倉本聰も「前略おふくろ様」や「北の国から」で、これを踏襲している… 「拝啓○○ちゃん」で始まるアレ。笑。 もっとも、極限状況では想像でもいいから「ともだち」が必要だったのかな。 そうして正気を保ったのかも…。 乙女の本能、というべきか。… せつないね。
PS. アンネとミープさんにせめて花をささげようか。 やっぱりバラかな。 杉並の高校に後年、父親のオットーさんが送ってくれたバラの花が今でも 咲き続けているらしい… これも昔ニュースで見たっけな。 「アンネのバラ」で検索すると出てくるよ。
年末、まだオミクロン株が跋扈する前にスキをみて新宿へ映画を観に行った。 長らく映画はレンタルで見ていたけど、映画好きな友人と 「たまにはロードショーとか、新作観に行こうか。いいのがあれば…」てな話になり…。 思えば彼女と映画を観にいくのは2年近くぶりか… あの時はタランティーノの「ワンス・アポン・イン・ハリウッド」、そのすぐ後にあの話題の韓国映画の「パラサイト」を観に行って以来だ。 あの時も「昔の映画の話もいいけど、たまには映画館で新作でも観ようか」ってな流れだったな。 そんで初めて「シネコン」なるものを体験し、上映前にトイレに行き、違うルームに入ってしまったのだった。笑。 コロナ前だったけどガラガラでなんか変な感じだった。 シートは高級仕様だったので何となく「試写会」みたいな感じで。 でも本編前の映画紹介やCMは昔と変わらず…。 ここ、スキなのよね。 さすがに「渋谷ロゴスキー」や「バグパイプ渋谷」の案内はなかった… 新宿だからかな。笑。 懐かしい…笑。 店は知らないのに名前だけ有名な「映画館あるある」。笑。 今回観たのも新作の「パーフェクトケア」。 あの「ゴーンガール」のロザムンド・パイクが介護詐欺師役をやる、となったら期待大。 どんなワルを演じてくれるか… 久しぶりにワクワク。 あまりネタばれになると悪いから詳細はぼかすけど、まあまあおもしろかった。 「ゴーンガール」の時もそうだったけれど登場人物の誰一人にも感情移入できないのよね。苦笑。 ま、「詐欺師」の役だからね。 物語はしっかりしてるし演出もスタイリッシュ、何より「映画館で映画一本観た!」って満足感は充分感じられた。 もちろん巧妙に悪事に手を染め、あの手この手でかわす… というより闘いまくるキャラだから、 だんだん「がんばれ!」とまではいかないけどどうやってこの窮地を脱する?!の期待で一杯。 そしてそれは裏切られない… これって大事よね。 この女はぜったいこんなコトじゃくたばらない… ロザムンド・パイク!! 物語で、彼女が殴られ拷問を受けて巧妙に殺されかけるシーンがあるの。 その時奥歯が折れるんだけど、窮地を脱した後その抜けた歯をドラッグストアで買った牛乳の中に入れるのね。 それを観て、「あ、コイツやっぱりこれくらいじゃくたばらない、戦う気満々だ」って思ったのさ。 その直後に歯医者に行くシーンで「ビンゴ!」 抜けた歯、って牛乳に漬けておくと鮮度を保てるのよ。 前にサッカーの好きな歯医者さんと世間話をして、 「時々試合で選手が歯を欠いたりしますけど、 あれって元に戻るものですか?」と尋ねたら 「場合に寄りますね。 そういう時はできれば牛乳とかに漬けておくといいです。 牛乳の蛋白質が歯の鮮度を一定時間保ってくれるので」って答えてくれたのを思い出した。 他にも、「ネタバレ」というよりいい感じで先が読めたのね。 セリフとか。 リズムよく物語の世界に入っていけた。 もちろん詐欺師の話なので共感とは違うけど。 少なくともあのヒロインのタフネスぶりは見ものだったな。 さすがロザムンド・パイク、今後まともなヒロインは演じられないだろう…笑。 美人だけど全然色気ないし。 ホラン千秋か…笑。 身体はもちろんムキムキ。笑。 それと悪役(敵役)でいわゆる「小人症」の役者さんが出演している。 アメリカのテレビドラマで何度か見ている役者さん。 ヒロインが彼を劣勢を跳ね返し、立場逆転報復暴行して裸に剥いて道路に捨てるシーンはちょっと「悪趣味」かな、と思ったけど…。 でもその役者さんがいい味を出していて。 日本じゃ諸処の問題(?)でここまでエンタティメントに徹しられないかな…。 また、他にも重要な役どころの年配の女優さん… どこか見覚えがある… この女優さん… えーと、えーと… そうだ、「ダイアン・ウィースト」だ! 何の作品で観たんだっけな―… 思い出せず、帰ってから検索で調べると、そうだ、「LAW&ORDER」で2シーズンくらい検事長やった女優さんだ! なんて割とどうでもいいトリビアを楽しんだ♪ クイズに出ることはないだろうけど。笑。 脇役系の俳優さんってたいてい「L&O」とか「ER」に出てるコトが多いのよね。 (もしくは駆け出しの無名時代とか) どちらも大好きな作品だから、1カットでもチラッと見覚えがあると追跡してクレジットで名前確かめて、「ビンゴ!」だと一人で喜んでいるの。 趣味ですね。 先日もたまたまWOWOWでやってた韓国映画の「新感染・ファイナルエクスプレス」をもう一度観てたら(闘いむなしくゾンビに殺される)高校生カップルの男のコ、見覚えがある… この男のコは… あ、そうだ、「パラサイト」の主人公のギウ君だ! やっぱり検索して確認して「よし!」と納得するの。 8割方当たる。 もちろん「ハズレ」もありますが。 たいてい脇役さんなので誰かに話しても「それ誰?」だけどね。 一人で気になり、一人で探し一人で納得… そして快感。 ささやかな。笑。 また映画館で観たい!って思えるような作品があるといいな。 もう渋谷の文化会館やミラノ座はないけれど、おこづかいをはたいて一生懸命映画を観た10代の頃を思い出せるとうれしい。 当時は「ぴあ」見てるだけで幸せになれた…。 映画愛をね、少しでも取り戻せれば。
PS. そうそう、昨今は映画館の手描きの大型宣伝イラストもないのよね。 おかげで映画館探すのに迷っちゃったじゃないの。苦笑。
明けましておめでとうございます。 トップ絵はうちの猫をトラにみたてて描いてみました。 トラも「猫科」の方々ですしね。笑。 モチーフは、大好きな国芳の浮世絵、「猫五十三次」を使ってみました。 リアルなラインの猫なのでうちのピーチにそっくりなのがいるのよね…。 なかなか楽しく出来たので久しぶりに年賀状なんかを元旦に届くように書いてみたりして。 ヘビとか猿とか、ってイマイチ描く気になれなくて…笑。 年始、なんとなくテレビ付けていたらNHKBSで面白いのをやっていた。 「知らなかった選手権」っていうの。再放送らしいけど。 回転ずし、水難救助、新幹線清掃、そして心臓外科手術などの項目でスキルアップの目的で本職の方たちが技術を競うの。 どれも興味深かったけどとりわけ、普段まず見る機会のない外科手術の部門。 まだ若い、最前線の心臓外科医の先生たちが(もちろん模造の)血管を使って手技の正確さと速さを競うのね。 バイパス手術みたいなのかな? 模造血管はもちろん限りなく本物に近い大きさと質感であろうかと。 血管をメスと針と糸で切り、縫いつなげるので考えてみれば当たり前だけどほとんど、「裁縫」の世界で。 へえ、男性がハリと糸で! 最近はロボットが人間より正確に手術をしたりするのは聞いていたけど、現場では人間が手を使って切って縫うのが主流だろうか…。 なぜだかプロレス専門のアナが実況中継して(NHKなのに。笑)ベテランの外科医の先生が解説をする。 これが何気におもしろい。 「ここはちょっと気づかないけどていねいな仕事してますねー、 ほら、さりげなくハリの向きを変えてます、 こうすると血管を針先で傷つけるリスクを下げられるんですよ…」とか 「左手のピンセットで血管の下、人間なら脂肪組織にあたる部分を 押してるんです、こうするとわずかに血管が開いて見やすく、 縫いやすくなるんですよ」とか。さすが専門家。 「均等な間隔で縫われていますねー」 「メスはまっすぐ入れた方が切り口が最小で済みます」とか。 感心したりどこか可笑しかったり。 そうか、そうだったのか…へえ!の連続。 その中で驚いたのは、 「心臓のすぐそばにあるこの血管、これ我々は“神様の贈り物”って 呼ぶんですよ」 専門家いわく、その血管は一応血管として存在してるんだけど取ってしまっても何の支障もない、あってもなくてもいい血管なんだそうです。 だからバイパス手術とかの際近くにあるそれを使用するんだそうな。 血管のスペアというわけ! だから神様の贈り物、と。へえ!! でも人間の体が誕生した時、はるか太古の時代か… さらにその前の、類人猿的なものが誕生した時からすでに在った、というわけだろうか! 生命誕生の時に外科手術が想定されてたわけでもないのに!! 驚きを通り越して感動したぞ、私は。科学を超越した命の神秘というか。 確かに「神」の領域かもしれない…。 生き物の身体のメカニズムは無駄なものは何一つなく、すべて意味(役割)があると思っていた。 盲腸、てのは…よくわからないけど例外か、もしくは昔は役目があったのか…笑。 目とか腎臓とか、重要(全部重要といえば重要なんだけど)な器官はひとつが使えなくなっても二つある。 じゃ、心臓は…というと一番重要だけどあまりに重要だから二つあるとむしろ支障があるんだろう…とか勝手に認識してた。 でかいしね、心臓は。 で、その心臓のすぐそばに、血管のスペアがさりげなく、でも確かに存在しているわけ。 まるで車の予備のタイヤみたいに。笑。 もちろんタイヤと違って一生使わずに済む人の方がはるかに多いでしょうが。 そのエピソートにも感動したけどもっと感動したのはそのコンテストに参加した若い心臓外科医の先生たち。 まだ30代前後の若さ、でも真剣に集中して日々技術の研鑽を怠らない。 もし自分がそういう手術を受ける時がきたらこの年代の先生たちに治していただくことになる…。 きっと安心して自分の命を任せられるだろう…。 よくテレビや週刊誌とかで「神の手!」「名医!!」とか大げさに騒ぐプログラムを見るけどああいうの、実はキライ。 そりゃすばらしいお医者さんていうのは存在するんでしょうが、みんながみんなその恩恵にあずかれるわけではない。 紹介状が必要とか、コネとか幸運とか。 そういうのにたまたま縁がなかったら? 自分や家族の健康や命はどうなる? ちょっとモヤモヤする…。 ましてお金がどうの、ってコトになったら理不尽この上ない。 そういった不安や不満が少し解消されました。 日本にはこういった若くて優秀なお医者さんが多分たくさんいる。 毎日身を粉にしてがんばっているんだなあ、と感動しました。 医療に対する信頼を再確認できた、というか。 それに血管にはスペアがある!笑。 新年早々いい番組を見られてよかった。 さすがNHK!って思いましたね。 ダテに料金高くない! 笑。
PS. ちなみに、韓国の美容整形の一つで足の腱だか筋肉だかを切る、というのが あるんですって。 ひざの裏あたりらしいんだけど、その腱だか筋肉だかを切っても何の支障も なく、足がすっときれいに細くなるんですって。 そういえば韓国のアイドルタレントって足すごくきれいだよね。 タレントさん全員が整形したかどうかは知らないけどああいう足が理想なん だろうね。 また、友人はバイク事故で肩の腱の一つを切ってしまった、と。 でも手術は必要なく、そのままでも生活に何の支障もないそうな。 これもまた命の神秘か… 単なるプログラムミスか…笑。