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2024年9月26日

「アゲハ通信2」

 引き続き秋のアゲハ飼育便りなどを。アイコン
もう何度目のサイクルか忘れたけど10匹組を飼育、無事蛹化を始めてサナギを見守り、それらも半分くらい羽化して見送った。
それをしながらまたちょこちょこチビイモムシを見つけては捕獲…
そうしているうちにやはり季節が変わり葉っぱが心もとなくなってきて…。
なのに毎回1,2匹とか赤ちゃんイモを捕獲、気が付いたら15匹!も赤ちゃんが。アイコン
ありゃりゃー。
アオムシたちはよく食らうし、さすがに食糧事情が厳しいかな?と心配になり…。
仕方なく、赤ちゃんイモは屋上のキンカンの木にもどそうかな、そうすればなんとか残っている葉を自分達で動いて食べ、生きていけるかもしれない…
私の虫かごに入れておくよりは…と。

 でもチビイモムシたち、一生懸命食べてるのよね。アイコン
少々硬い葉でも食らいついている姿を見ると、ああ、このコたちを手放したくないなあ…と気持ちが沈んでいたら。

 アゲハ同僚(笑)のKさんが
「私ネットで注文してお餌を取り寄せましたよー」と言うではありませんか!
「えー、そんなのあるのー!?」
「ありますよー」と情報をよせてくれた!

 もしそれができればチビ達を手放さなくてもいいかもしれない。アイコン
アオムシになりサナギになり、そして羽化して美しい蝶になって飛んでいくところを見られるなら…。

 で、さっそく注文した。調べるとKさんが教えてくれたサイトの他にもいくつかあり、注文した。
そしたらさ。

 翌日の夜届いたのよ。
えー、もう?って喜んで袋を開けてみたら…。

 けっこうひどいシロモノが入っていてさ。
夏ミカンの葉、らしいんだけど半分以上は傷んで黒っぽくなっていて、茎から葉がぽろぽろ落ちる…。
仕方ないのでカイコみたいに葉の上にアオムシをのせてみたんだけど、アオムシも何だかとまどって食べようとしないのよ…。

 私もがっかり。アイコン
やっぱりチビイモムシたちは戻さなきゃならないのかなー…と気落ち。
届いた葉のほとんどは捨てて、ややましな何枚かをバケツの水にいけておき…
それでも試しに何枚かオアシス(花を挿す水を含んだスポンジみたいなの)に挿して虫かごに入れて、様子を見ていたのよ。
なかなか虫たちは食べなかったんだけど…。
見ていたら小さいアオムシがその茎に登っていって…

 食べだしたのよ!
 ムシャムシャと!

 不思議なもので、1匹が食べだすと呼び水のように他のコも食べだしてね。
多分においでわかるのかな?
2日くらいで、ほとんど全部食べてくれたんだわ。
少しでも無駄にならないでよかった。
夏ミカンの葉、大きくて柔らかくて、葉っぱだけでも2,3日はしおれないのね。
水にさしてなくても。

 これは助かったわ。アイコン
そうしているうちに屋上のキンカンの木も秋なのに少しづつ新芽が出てきて、猛暑の陽ざしのおかげが、この時期にしては葉が潤ってきて。
ああ、これならチビ達を手放さなくてもいいな、育てられるな―…と希望が出てきちゃって。
そしたらまた赤ちゃんイモ捕獲して増えちゃった。
もう何匹か数えるのやめた。笑。

 ネット注文の葉はけっこうお高いんだけどお金で買えるなら…。
生き物は待ったなし、なのでね。
カンキツ植えてるご近所さんもいるんだけどわざわざドア叩いて
「葉っぱください」と言うのもね…
知り合いならともかく。
それに地植えのカンキツはね、けっこうヤドリバエの心配もあって。
また、殺虫剤がついていたりすると虫によくないし。
(ネットは「無農薬」というフレコミなので)

 屋上の花壇を整頓して、またカンキツを増やす予定。
できればキンカンがいいんだけどなかなか手に入らない。
お金さえ出せば何でも手に入るこの時代、なかなかままならないもので。
それもまた楽し…。アイコン

 ところで先日、屋上の私のキンカンに突然みたいに居た大きなアオムシ、捕獲してサナギになったはいいけど寄生されてました、ヤドリバエに!
もう3度目くらいなので少々キモいけど、落ち着いて処分。
でも屋上由来のコだったのに…。
ネットで調べて見たら、ヤドリバエの卵はアオムシの躯体に直接卵を産み付けるのと、葉っぱに卵を産み付けるケースに分かれるようで。
あのコはどうやら躯体に直接だったようで。
そういえば頭のアタリ、目玉模様の上の方になんか白い点みたいなシミがあったのね。
それが、産み付けられた卵の跡だった!と後でネットで知る。
ネットによると、外で育ったアオムシは寄生されてるケースが多いので要注意、とのこと。
外で捕獲する時はできるだけ小さいうちにしなさい、って。
ふうん、そうなんだ、じゃチビたち捕獲しておいてよかったんだな…。

 というわけで一応屋上で見つけた赤ちゃんイモは捕獲することにしてるの。
黄色いアゲハの卵は捨てちゃうコトもあるけど。
孵化しちゃうと情(笑)が移っちゃってね。笑。
まあ、与える葉はいつも何かついてないか気をつけているし、万が一寄生されてたら処分するし。
屋上の花壇だからヤドリバエのサイクルはできるだけ断ち切りたいし。
それにもしかしたら、もしかしたらまたクロアゲハが来てくれないかなあ、と淡い期待もあって…。
(いまのところ会えないけど)

 東京の都会のビルの上の花壇でも、こうして虫たちが生きてるんだなあ。
すさまじい猛暑の下でも。
ちょっとすがすがしい気分ではある…苦笑。

 

PS.
 明日また別口のネットの葉が届く予定。
 いいのが入っていますように。アイコン

夏子

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
2024年9月19日

「アゲハ通信」

 ぼちぼち秋アゲハのシーズンになってきている。
何度目のサイクルか忘れたけど、相変わらず羽化を見届けては次のチビイモムシを見つけては捕獲し、飼育を繰り返し…
猛暑の中で癒しになっているなあ。アイコン
虫たちがただ葉っぱを食べているのを見るだけで楽しくて。笑。

 で、先日不思議なケースがあった。
いつものように幼虫を飼育して、脱皮してアオムシになったのを見ていたら。
黒い液体がアオムシや葉っぱを少し汚していた。
あれ、インクをこぼしちゃったかな?と思った。
だって黒い液体はまず見かけることはないから。
でもそれも考えづらく、観察していると、どうやら1匹のアオムシから分泌されているようだった。
目玉模様の近くと胴体上のフシの部分からにじみ出ているように見える…。
実は前にも似たようなコトがあって、そのコは前蛹になる段階で死んでしまった。
「病死」のようなケースが少し続いたコトがあって。

 だからこのコも病気かな…
死んじゃうのかな…と心配になった。アイコン
が、その後もよく食べよく出して、目玉模様の近くに黒いシミみたいな、カサブタを残して成長…
無事サナギになった。
サナギには黒いシミは無くなっていて、他にもサナギが居たのでそのコトは忘れていて。
で、同じグループのサナギが無事羽化し、りっぱなアゲハになって飛び立って行き…
グループの一番最後にそのコの羽化を迎えた。

 そしたら。

 そのコは4枚ある羽の1枚がなかった。
アゲハの、一番大きくて一番美しい、特徴的なあの黒い羽が1枚足りなかったのだ。
(触覚も一部欠けていた)
え!?
あ…もしかしてあの黒いシミのあったコ?
あの時滲出して、失くしてしまった黒い体液は羽になる部分だったのか…。
もちろん羽が1枚なければ飛ぶことはできない。
飛べない蝶の運命は…。
悲しいけど、いつものように屋上の花壇に、ベゴニアの花の上に蝶を置いてきた。
羽が1枚ないけど身体や残りの羽は普通で、細い脚で私の指にしっかりつかまっている。
一生懸命飛ぼうとしていたっけな…
その生命力の強さ…。
「残念だね」と声をかけ去る。
そのうち蟻がきて埋葬してくれるだろう。
さすがにそこまでは見届ける気にはなれなかった…。アイコン

 先日花壇の手入れをしてた時、土中にネキリムシが居たんで処分をして外に放りだしたら、すぐたくさんの蟻が来てネキリムシの遺骸を巣に運んでいった。
蟻からみればイモムシはけっこうな御馳走だろう…。
これも食物連鎖だな、こうして都会の花壇にも蟻が住み、自然の法則が息づいてるのか。
…春にはいつも私が「アリの巣コロリ」を仕掛けているのに…苦笑。

 アゲハの埋葬は蟻にまかせる。
しかし、ちょっと考えた。
アオムシになったばかりの頃に失った黒い体液、あれはまるごと羽1枚になる細胞組織だったわけだ(?)。
ちょうど頭部、目玉模様の近く、シミみたいなアザが残ってた部分はちょうど羽の場所?。
幼虫はサナギになると時、内部は一度すべて融けて組織が作り直される…と聞いていたけど、サナギになる前から、イモムシ時代からすでに基幹細胞みたいなのは確立しているという事か?
羽になる細胞は、材料は、始めからプログラムされていて、失ったら替えはきかないのか。
私はてっきり少し小さな蝶になるのかと思っていた。
細胞が少し減ってもサナギの段階ですべてリセットされるんだろう、と。
実はサナギの中身というのはほとんど解明されておらず、最近少しづつ研究されてきているらしい。
(前にNHKの番組でみた)
なんであのコの体液が途中でにじみ出ちゃったのかは不明だけど、あの時点ですでにすべての細胞はプログラムされていたようだ。
あんな小さな虫なのに。
先日偶然に卵の孵化を目撃できたけど本当に1ミリもない小さな小さな卵、幼虫にすべての遺伝子が組み込まれているということか…
改めて自然のプログラムに圧倒される…。

 だとしたら、哺乳類はどうだろうか。
おそらく同じように初めから全部決まっているのかもしれない。
細胞のすべては、分裂しながらも変化の行方は全部決まっている…ということを実感したのだった。笑。

 iPS細胞とか、NK細胞とか聞くけど、こういうコトなのかな?
虫だけど。
ぼんやりではあるけどつながるのかも…。
神秘的でもあり、現実的でもある…
虫に教えてもらったような気分だ。
蝶になれなかったあのコに。
悲しいけど、自然はすごいなと改めて思いました。

夏子

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2024年9月12日

塀内なつこ なつこの部屋 最近のなつこ 日々是外伝 〜悲しみ・その十二〜

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夏子

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2024年9月5日

塀内なつこ なつこの部屋 最近のなつこ 日々是外伝 〜悲しみ・その十一〜

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夏子

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