「パソコン一大事!!」
…ああ、まいったまいった…。 先週の金曜日から3日ほど、パソコンが使えない事態になりました。 幸い早めに復旧していただけましたが…。 木曜日は普通に使用できていたの。 それが、その夜もう寝るのでシャットダウンしようとしたらなかなかできない… ほら、輪切りのネギみたいな小さい輪みたいのがぐるぐる回るでしょ、それが出ている時はパソコンをいじれない、と教わるやつ…。 で、待っていたんだけどなかなか輪が消えない… いくらなんでも遅いなあ…と しかたなく強制シャットダウンするか…とマウスを動かしたらカーソルが現れない… あれ? あれ? ウィンドウズの左端の、スタートフラッグがフリーズしてしまって、もう何もできず… 仕方ないのでそのままにして寝る…。 で、翌朝。 不調はそのままで。 画面は見たことない紫色のページのみ。 仕方なく、このHPの担当の、Tさんに電話で強制終了のやり方(5秒長押し)を教わり、施行。 するといつもの画面にもどり、インターネットも無事繋がる… 「ありがとう〜〜」とTさんに御礼を言い… しかし。 数分後にまた同じ、フリーズの画面になってしまった。 強制終了を何度も繰り返すも、もう画面には「No signal」が映るのみで…。 ああ、異常事態だ…と。 さあ困った。 メールが使えなくなると、緊急の連絡をするには携帯電話しかない。 何人かに状況を伝え、必要な連絡は携帯で。 とはいえ、あまり緊急でない連絡、とりわけ友人とかのおしゃべりメールなんかには携帯で知らせるのもどうか…と。 でも予定してないメール連絡とかが来たら、読めないしもちろん返信もできないので不義理をしてしまったらどうしよう…と心配。 Tさんからは「バックアップはしてますか?」と尋ねられたがもちろんしてない。苦笑。 重要な作品データーなどはメモリに入れてはあるけど。 最悪、ハードがすべてパア!の恐れも… 大切な思い出のメールとかは残念だなあ… メルアドしか知らない知人もいるし…。 取りあえずメールができるようにしなけりゃ… 買い替えは仕方ないけど 今日明日、で用意が整うだろうか… しかもこの暑さ…。 いいや!昔はなかったんだから! ネットできなくても耐えられるわい!…と決意するも…。 取りあえずそのパソコンを購入・設置する時にお世話になった知人に携帯のショートメールで連絡。 「パソコン、動かなくなっちゃったよう〜」 (私は携帯はショートメールしかできなくて… もっとも、メールはほとんどがパソコン。 携帯でメール打つの苦手なのよね…短文しかできないし) 有り難い事に日曜日にはその知人が駆けつけてくれた。 その前には電話でサポートセンターにヘルプを頼み。 (外国人が電話対応。日本語は上手、しきりに「キョウシュクです」と丁寧に繰り返す…相談して1時間くらいいろいろ試したが結局わからず) 「ボクの予想では、本体は無事だと思います。パソコンはそう簡単には壊れないし、壊れる時はバツッ!と切れちゃうもので…。 ヘイウチさんとこは猫がいるでしょ、猫の毛が本体に入り込み、猫毛の静電気がホコリを引き寄せ、どこかの回線をショートさせたかも」と、調べ始める。 その間、 「○○君(回線のこと)はどうかな… ここは違うか…では ○○か… うーん、ここではなし… ではこちらの… ああっ! お前かあ!?…」とか パソコンに話しかけるようにあちこちいじる… 私にはもはやまったくわからない単語がちょこちょこ飛び出し…。 「どうやらモニターの不具合みたいです、ほら、試しにテレビに繋いだら映ってる」 あ!なつかしのいつもの画面が!!(ここで少し涙。笑) 「本体は無事ですよ」の言葉に心からホッとし… (ここでも涙、感謝と感激で) 「モニターってそんなには壊れないんですけどねえ…」 モニターは、漫画デジタル作業用の液晶タブレッドを代わりに使用することにする… 大きい画面が一つになって返って机周りがすっきりした。 しかも音のでない液タブにたまたま家にあった小さいスピーカーを繋いだので上海(ゲーム)する時の音がよくなった…笑。 よかったよかった… もう半べそをかきながらすぐに駆けつけてくれた知人に感謝する… その前にも電話で励ましてくれたTさんにも感謝。 パソコン音痴の身には、専門家のアドバイスはどんなに有り難いことか。 サポートダイヤルも、今回は役には立たなかったが、たとえ電話でも人間が対応してくれることは心強いことだ…。 ちなみに、猫の毛の件で本体の中身をチェックしたら、これがもうおびただしいホコリのヤマ!塊! まるで百年くらい掃除してない耳の中みたいだ! ぎゃああ。 今回の直接の原因ではなかったけど、こりゃいつショートしてもおかしくないくらいのゴミ!ホコリ!! 精密機械ではあるので慎重に掃除機で吸い取ったり綿棒やウェットティッシュでふき取り…。 出るわ出るわ、もう興奮してゾクゾクしてしまう… いつか足首骨折した時ギプスはずした後にお風呂で垢すりした時の10倍くらい楽しい…笑。 「ここは、シロウトは開けない方がいいです。 でも外側は、一週間に一度くらい 掃除機かけてくださいね…」 「はい!」… そして3日ぶりにインターネット開通。 ああ…… ネットがつかえなくて正直寂しかった。本当に。 なんか世界中から取り残されたみたいな焦燥感が…。 たかがネット、昔は存在してなかったんだから…とたかをくくっていたがそこほどまでに日常に入り込んでいたとは…。 ネットニュースなんて玉石混交、くだらない情報やタレントのぐだ話なんかを半ばばかにして読んだり、時々書きこみしたりしてどうでもいい時間と手間を費やしていたくせに…。 少し恐怖も感じたけわ… 本当になくなったらどうすんだい…まあ そん時はあきらめてそのうち慣れるのかな…。 実は漫画のデジ作業の方は、古いパソコンと液晶タブレットを繋いだらネットはできなくても作業自体はできたのね。 真夜中、半べそで自分で繋いだのよ、無事クリスタ画面が現れた時はうれしかった…。 笑っちゃったのは3日ぶりで溜まっていたメールはたった14通、しかも全部DMでした。 大事なメールは一つもなしかよ! 私が絶望して半べそかいていても世界は何も変わらずに。平和。 …こんなもんですか。苦笑。
夏子
ファーストフード店とかから徐々にストローが無くなるそうな。 おなじみのプラスチックのストローが。 正直なんで?って思う。 だってプラスチックごみが海とか自然を破壊する恐れがある、って言ってもそれじゃストローだけの問題ではないのでは? 素朴な疑問。 ストローは小さくて軽いから海水浴場とかで飛んでいっちゃうらしい…?? じゃあプラスチックのふたは? アイス食べる使い捨てスプーンとか…。 あのビニールの袋は…。 (これも問題になってるそうだけど) そういったものが河川や海に捨てられてしまい、何年かして小さく塵になってプラスチックに含まれてる可能性がある有害物質が魚の口に入り、ひいては魚食べた人間の口に入るから…って理由。 少々無理やり感が…。 なんか「わらしべ長者」とか「風がふけば桶屋が儲かる」的な、こじつけっぽい流れのような気もする…。 じゃストローだけじゃないでしょ…と改めて思うけどぉ。 だいたい、正しくゴミを捨てればかなり改善するのでは? 私の住む世田谷ではストローとかプラスチックは「燃える」「燃やせる」ゴミなんで…。 (昔は分別ごみでしたが) 海洋汚染というならもっと深刻なゴミや汚染物質がたくさんあるんじゃなかろうか。 北アルプスの、上高地の奥の、横尾から涸沢に向かう途中にある「本谷橋」という出合いでは、昔は沢の水そのまま飲めたのですが最近は、登山者が増え、涸沢のキャンプ場経由らしい大腸菌の汚染度が高くなったので沸かさないと飲めなくなったのだけど…。 それから日本海では韓国の漁業用の仕掛け、っていうの?魚とり箱みたいなのがたくさん放置されて海底に沈んで、その中に小さな魚が入ってそのうち大きくなって、でも出られないことが問題になってるっていつだかテレビで見たっけな。 その魚とり箱みたいなのも確かプラスチックだったような…。 それどころか近隣のどこかの国ではあろうことか、いらなくなった原子力潜水艦(もちろん汚染されてる)をわざわざ日本の領海に来て捨ててった、って聞いたことあるけど…。 たくさん沈んでる、って…。 ひゃああ。無責任きわまりない…。 ストローレベルの問題ではないのでは? たかだかストローをやめたぐらいでどうなるものだか…。 ファーストフードチェーンのパフォーマンスに見えちゃうんだわ。 「うちはストローやめて、環境に配慮してます!」ってイメージ戦略…。 ほんとに、しかるべき場所に正しくゴミを捨てればそんなに騒ぐ事では…。 もっとヤバイ「ごみ」がいくらでも海に…剣呑剣呑。 ゴミと言えば、W杯は日本のサポがゴミ拾う、って評判になりました。 それはとてもいい事だと思うんだけどその前に、ゴミを捨てなければいいのにな、とも思う。 (サポは他の人の捨てたゴミも拾ってくれるんだよね、確か) テロとかの関係で町中からゴミ箱がかなり無くなっちゃったんで「ごみは持ち帰り」がすっかり定着したんだけどね、日本では。 世界中から称賛されるのはうれしいこと。 私だってスタジアム行けばきっとゴミ拾うだろう。 待ち時間とか私は持て余しちゃうし試合がよかったらなんとなくスタジアム去りがたい思いもあり、するとついでにゴミを拾うか…みんなやってるし…的な。 善行をして来世の功徳が貯まるような気もするしね。笑。 でもそのニュース見かけるたび、うちの前の通りでもそうしてくれないかな、と思うよ。 休日はホコテンになって、でもその割にはゴミは少ない方かと思うけど、ゴミないわけじゃない…。 世界が注目するW杯ではゴミ拾って、でも誰も気にも留めない小さな通りでは捨てるかい…ってちょっと複雑な気分は少しだけするわ。 ほめられるからゴミ拾うのか…って。 誰も見てなくてもゴミ拾うならいい事だし、その前に捨てなければもっといいのに。 あまりに「世界が称賛!!」って騒がれるから少しだけ思ったんでした。 ちなみに、あのサポのゴミ拾いは、私の記憶では98年フランスW杯からではないかなー。 その前の97年のアジア予選の時、ほら、サポが水色のゴミ袋膨らませてスタジアムを青色に、って応援スタイルができたのよ。 その時紙吹雪もまかれたの。 漫画とかをちぎったやつ。 それを、キックオフの時に一斉に飛ばしたの。あれは綺麗だったなー… なつかしい… 今は無き国立競技場とか。 その際、「紙吹雪まくのはけっこうだけど後どうすんだ?」ってことになったんじゃないかな。 そしたら「じゃ撒いたものは拾います!責任もって!」って試合後に応援で振り回した青いゴミ袋に入れて持ち帰るようになった、と。 あの時は今よりもずっと情熱的だったなあ、サポが。 もちろん私も。 なんたって初めてW杯に出られるか!?って時だったからね。 悲壮感もただよってたし。 我らが日本代表を応援したくて、スタジアムを青く染めたくて。 少しでも「参加」したい気分だったんだわ。 それがすっかり定着して…。 忘れもしない、ジョホールバールの対イラン戦、「ROAD TO FRANCE」の最後の決戦の舞台で、青いゴミ袋でスタジアムを埋め尽くして、サポは「ホームゲーム」を造りだしたのよ。(私も居たのよ) あの青いスタジアムを見て、イランはかなり動揺したらしい…で、アウェイの戦い方を選択せざるを得なかった、と。 後でそれを知って、サポとしてどれほどうれしかったか…。 ま、もちろん日本ではゴミポイ捨てする奴が一人もいないわけではないけど世界基準からしたら多分かなり少ないと思うのよね。 登山でも、私300くらい山登ったけど、目も当てられないゴミのヤマ、を山で見たのは1,2回くらい。 どんな低山でもほとんどの登山者はゴミ持ち帰ってる。 どっちかというと里山とかにね、「不法投棄」のたまり場みたいなのはあるね。 あれは業者だろうなあ。 あれはいかんですね…。 でも一般レベルでは、いい方だと思うのよ、世界中で。 だからその気になれば、ストロー失くさなくてもいいんじゃないかと思ったのでした。 すべからく、正しく捨てれば、と。 日本がその最先端を示せませんかね。 できると思うんだけど…。
「オフサイドの思い出」
一昨日(9日)の読売新聞の夕刊に「オフサイド」の思い出話の記事が載りました。 サッカー漫画列伝、なる記事の中にて。 先々週くらいに記者さんにインタビューされたもので。 記事になる時は抜粋になり、かなり短くなるものなので少々補てんいたします。 別に内容に齟齬があるわけではありませんが、一応というか。 オフサイドかあ。 懐かしすぎる… スタートしてから30年くらい(!)経っちゃったわけ? ひゃあ。 なぜこの作品を描いたのか?とかシンプルな質問のいくつかに、当時あまり意識はしなかったけど今思えばこうだったんだなあ、とか頭を整理しながら答えました。 (当時はあまり意識してそういうことを考える余裕はなかった。毎週の締め切りに追われてたし) テニス漫画の後、なぜサッカー漫画にしたのか? そのテニス漫画のフィフティーンラブは、初めての長期連載で、それなりの評価をいただき、自分でもてごたえを感じて、さあ次何を描こうか、という時で。 ちょうど週マガでは新しい編集長さんになり、自分でも緊張していて、でも「もう少し大きな勝負がしたい」と意気に燃えていたんだわ。 もう一つ上のランクにいきたい、もっとたくさんの人に読んでもらいたい… ホントのホンモノ、直球勝負がしたかったんだわ。 だからサッカーというメジャーなコンテンツを選択して。 当時、サッカー漫画といえばようやく「キャプテン翼」が誕生し、それ以前となると「赤き血のイレブン」まで遡ってしまう… それに当時週マガではサッカー漫画のヒットは(記憶では)なかったのよね。 よし、それなら私が!って。 大きなモチベーションになったのよ。 スポ根といえば野球やボクシング漫画に代表されて、そのジャンルではすでに多くの名作があったし。 編集部でもすぐにOK!をいただき。 だいたい、「誰も描いてない」っていうのは大きなアドバンテージと思っていたのよ。 だって何描いたって「フレッシュ」でしょ。 比べられる作品が近くにないのだから。笑。 キャプテン翼は、御存じの通り少し年少のサッカー少年を扱っていたので私は、もうちょい上、の「高校サッカー」を。 少しでも違う切り口にして「違うもの」を描きたかった。 というか違うものにしないと勝負にならなかったからね。 とても太刀打ちできないし、後から…というのはどう考えても不利ですから。 (ちなみに同じサッカーものだとどうしても「ネタがかぶる」時がある、偶然に、とか。 だから仕方なく他のサッカー漫画はいっさい読まなくなった。 キャプ翼は大好きだったんだけど…。) サッカーを見るのは好きだった。 やるのは…小学校の体育の時くらいだったかな。 甲子園とは必ず見てたし、テレビでお正月に「高校選手権」とか中継するようになってたでしょ、楽しみに見ていた。 野球と違ってサッカーは坊主頭じゃなかったのもポイント。笑。 カッコよく見えたのよね。不良っぽい(?)のも新鮮で。 すると昔のサッカー部の面々とかぶる…。 私は「部活」を描きたかった。 私が中学高校の頃、となりの机、となりの教室にいた「男の子」、朝練をして、2時間目が終わると早弁したり、授業中は居眠りしてたり、お昼にはドカベンをたいらげ、放課後には校庭に現れる… ジャージ下げて、だらだらと… 部活が終わると近所のパン屋で定番の買い食い… そういう姿を描きたかった。(サッカーシーンより?笑) 意外と、そういう少年漫画はあるようでなかったのよ。 私が大好きだったちば先生や水島先生の作品も、やはり現実の「部活」とは少々解離がある… 考えてみれば先生がたは10代ですでにプロとして描かれていたのよね。 部活はもちろん、高校もたしか行かれてないはず。 だとしたら…。 私はへっぽこだけど一応バスケ部にいて、隣のサッカー部も野球部も「目撃」した経験がある… そんなありきたりの「経験」が武器になるんかい… 当時は手探りだったけど… 武器になったんだよね、今から思えば。 多感な10代の私、となりの席の男子が、今まで小学生だった男の子が気が付くと背が伸びて、シャープなあごのラインや広くなった肩幅を形成し… ああ、女子とは違うんだな、と実感したっけな。 男の子、っておもしろいなあ、いろいろ面倒くさい女子よりもずっと好きだわ…と女子の目線から見た男子像。 それなら描ける。 男性作家さんが気がつかない男子の魅力を私は知っている…。 そういう切り口の少年漫画は当時はなかったのよ。 ない、ってことは存在価値がある、勝負ができるかもしれない…と。 だって週刊連載をする、ってことは当然水島先生やちば先生を戦う、って事よ。 小林まことさんや楠さん、しげのさんといった早々たる面々と、リーグ戦で闘う、って事でしょ。 同じジャンルじゃ勝ち目があるはずない、意識して違う路線にしなければついて行けないではありませんか。 とにかく違うものを。 誰も描かないものを。… てなことを当時は漠然と思ってただろうか。 もっとも、毎回の締め切りをクリアするのでキュウキュウでしたから、スタートしたらもう目の前の原稿しか見えてなかったかな…。 自分のことで精いっぱいで… 手探りで…。 なぜ「オフサイド」というタイトルにしたか、と聞かれたので(単行本の)背表紙見ただけでサッカー漫画、とわかるように、と。 それから、これは記事にも書いていただいたけど「うまくいきそうだったのに笛が鳴って中断されてしまう、もどかしい青春」みたいな意味もこめましたが。 でもそういうイメージは描いてるうちにどこかに飛んでいっちゃいましたね。(笑) ちなみに、その前の「フィフティーン・ラブ」も、テニス用語で、しかも15−0というカウントは試合中何回も、一番多くコールされるので今でもテニス中継見て「フィフティーン・ラブ!」のコール聞くとなんかうれしくなるのですよ。 …呼ばれてないって。笑。 ルールは知っていましたか?と聞かれ、 「手を使っちゃいけない、とかゴールすると1点、くらいは知っていた。 オフサイド、のルールはそういうのが存在するのは知っていたけれど 中身は…」程度で。 タイトルにしたからにはまずこれをしっかり理解しなければ文字通り話にならんだろう、とサッカー経験者とかに手当たり次第聞きました。 でもこれは、試合をいくつか見ていればなんとなくわかっていきましたね。 連載が始まったばかりの頃、ネームを作る時「はて、オフサイドのルールを物語の中でどう説明したものか?」と悩みました。 あまりに説明調だとセリフのリズムを壊すし不自然だ… かといってまったく触れないのも…。 と打ち合わせしている時、当時の編集さんが 「説明しなくていいと思う、多分子供(読者)はオフサイドのルール知ってるよ」と。 そうか、そうだよな。 だいたい自分でもよくわかっていないものを説明なんてね…笑。 と、あえて何も説明せず笛が鳴ってオフサイド!敵ボール。 今ではごく普通の展開ですよね。 でもあの時そう提案してくれた編集さんにはとても感謝しています。 サッカーというものを、少年漫画というものを、 ひとつづつ、少しづつ積み重ねていった20代の具現のような作品でした。 インタビューを受けて久しぶりに思い出しました。 懐かしくてせつない、愛おしい日々でした。
PS. しかし何だって私はあんなに苛立っていたんだろうな、あのころ。 いちいち、いろんなコトにキーキー怒っていた。 若さのゆえんか…苦笑
「Ce la faccio!」
…とはイタリア語で「やればできる!」と自分に言い聞かせる慣用句であります。 チェラファッチオ!と発音。 ちなみにお友達にかける時は「チェラファイ!」となります。 去年からNHKラジオでイタリア語講座聴いているのだけど使用する機会がまったくないので(笑)ちょっと使ってみました。 なんだ、日本代表、やればできるんじゃないか!と。 下馬評が最悪だったので私も、勝ち点1取れればいいか…と期待も希望もまったくなく、適当な距離でそれなりに日本以外の試合も時間が合えば見たくらい。 しかも半分くらいは寝ながら見てたりして。 ベルギー戦も、ブラジル戦を見た後眠くなっちゃったんで早めに寝ちゃって。 多分夜中に一回くらい起きる、その時見るかな… それもどうしようか… だって、ねえ。 実際一度トイレに起きたんだけど時計を見るわけでもなく、多分今やってるんだろうな… でも見るの怖いな…って20分くらいテレビつけないでまた寝ようとして… でもまあつけるか…。 で、テレビつけると。 ん?日本のスコアが2?でベルギーが…「0」が一瞬「6」に見えて。 ひゃあ、2−6かよ? なんだこの試合?…と思いつつ、目をこらすと2−0じゃないの。 ええ!? 日本が勝ってるの?! うっそー! めがねをかけてしっかり見る。 こんなに心拍数が上がっちゃったのはドーハ以来かな。 久々のドキドキハラハラ。 へえ、やっぱりスタメンを休ませていたことが功を奏したんだ! やればできたんだ!… …結果はまあ、アレですが。 半分以上は寝てたしね。苦笑。 肝心のゴールシーンもライブでは見てないし。 残念だった。 でもよかった。 あのポーランド戦で割と非難されてたから。 あの西野監督の「逃げ切り作戦」も、この試合のためだったんだ、と理解するだろう。 「卑怯」とか「恥」とか「汚辱」とか好き放題言う人いたけど、私は肯定派。 だって日本は「ポッド4」だよ、最下位カテゴリーの国が一生懸命知恵しぼってがんばって小細工(?)して、ベスト16に進んだのがそんなに腹が立つのかね、イングランドとか。 精一杯の決断だったのに。 アジアのくせに(?)日本の分際で生意気にも(ポーランド戦で)スタメン落とすなんて「生意気だ!」と思ったかい?…。 みっともない、後でなんか言われるのは承知の上、でもあれが最適だと決断したんだから。 まあ、外野はいろいろ言うよね。 解説者とか専門家はそれが仕事だし。 でも彼らが何を言おうと舵を握っていたのは西野さんただ一人。 決断できる権利は彼一人が持っていたんだから。 外野はしょせん外野。 岡田監督曰く、 「西野さんはあわただしく就任して、迷う時間もなかったんじゃないか。 だいたい監督というのは考えすぎるといい事ないんだよね…」と。 孫子の兵法にもある、「戦は拙速に」と。 拙速、いったん戦うと決めたなら素早く、あまり考えるな、との意味。 うむ。 私はあの逃げ切りシーン見て、ドーハを思い出したよ。 あのころJドリーム描いていたからよく編集さんとかライターさんに積極的に話を聞きに行ったり、教えてもらっていたりしたの。 サッカーの何たるか。 それでドーハの結末について、サッカーマガジン誌の編集さん曰く、 「あの時、ピッチに空き瓶投げ込まれたよね。 あの瓶持って、オフト監督はレフェリーにアピールすればよかった、 時間稼ぎに。 小細工を弄してでも、何とか堪える事ができてたら…」って。 時間稼ぎ… そうか、サッカーはそれをしていいんだ。 ハンドボールとか柔道とかと違って「消極的」は許されるんだ…。 (ハンドボールは、30秒シュートしないとパッシブ取られるのよね) でもオフト監督は何もできなかった。 選手も、ふわふわしていた。 ボールキープもできなかったし攻められっぱなしで。 イージーミスの連続で。 私も目の前で見てたけど怖くて正視できなかったし…。 であの結末でしょ。 (ちなみに「感動をありがとう」というフレーズはあの時からだったような。多少の違和感を感じたっけな) それに比べたら今回の選手は落ち着いてたと思う。 目的遂行のためには、時に「サッカーをしない」という選択もあるんだ。 みっともない、リスクを承知でその決断をした西野監督にも「おっ、やるじゃないか」と思ったよ。 日本もそういうことができるようになったのか、と感慨深かった。 「明日ある戦い」を意識できるようになった。 日本代表は前に進んでいる、過去にもどることはない。 ポーランド戦の批判を、日本はこのベルギー戦で払拭できたのではないかな。 少なくともベスト16で最下位って事はないだろう。 (イングランドのメディアがキャーキャー言ってたけど) 同じ敗退組のアルゼンチン、ポルトガル、スペインとかよりは見るべきものがあったはず。 (半分以上寝てたくせに…苦笑) ま、勝ち切れてたら最高だったんだけどね! くう〜〜〜涙。 選手達にとっては悔しく、せつなく、でもかけがえのないW杯には違いないだろう。 忘れられない夏に。 「きっとできる!」 「俺たちはできる!」 心に、時に声に出して、皆で肩を組んで誓ったロシアのピッチ…。 選手のほとんどは次は代替わりしてるんだろうな、見る方にとってもこれが(今の面子の)最後の代表戦。 彼らはいつか痛みと共に思い出すだろうか…。 その時どのシーンを思い出すかな… ミスか… ゴールか… 悔しさか歓喜か……。 いつか孫に話すだろうか。… 「やればできる!」その教訓を私も少しでも共有したい。 勇気をもらったのだ、と。
PS. しかしルカクやらフェライニ(懐かしい!ベルギーアフロ!)やらベルギー のデカイこと! まるで「赤い冷蔵庫」! かなわんなあ。 さあ、ベルギー応援しよ! PS.2 GK好きだから言うわけだけど(笑)、失点は必ずしもGKだけの責任じゃない。 DFが寄せたりコース消したりしてくれなければそうそう守り切れるわけじゃ ない…。 それでも批判されるのはGKの宿命かな。 割の合わないポジション… だから好きなんだけどね。 PS.3 試合途中だったかな? テロップで「タイのサッカーチームの少年達の無事発見!」に心からホッ とする。 早く救出されますように。