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2011年2月23日
「追悼」
週マガの前の編集長だったKさんが亡くなった。
もう20年以上も前からの旧知の編集さんだった。
直接担当された事はなかったけれど、当時私はよくミニスカートをはいてマガジン編集部に持ち込みをしていたので、ミニスカートが大好き(!)なKさんは私によく声をかけてくださり、可愛がっていただいた。
かっこよくてチャーミングな人だった。
背が高く頭もよいのに中身はまるでハレンチ学園みたいな人だった。
(ミニスカートが大好きで・・・
)
なんで美人でもない私ごときのミニスカートでこんなにうれしそうなんだろう?とか
なんでこんなに格好いい男性がこんなアホな企画を?とか、こんな人間がいるんだ・・・
と、まだ20才そこそこ、ほとんど初めて「社会」というか「会社」というものに触れる私にはそうとう新鮮だった。
実は漫画家になる前からKさんを知っていた。
というのもよく週マガの作品の中に登場していたからだ。
だから駆け出しで初めてKさんに御会いした時、
「ああ、この人があのKさんかあ・・」と納得したものだ。
Kさんの訃報を知る2、3日前に前の担当のT君とYさんに会ってしたおしゃべりの中で、
「漫画の中に、編集さんの分身って、いるよね
」と話題をふったら
「あ、誰々先生の何何の中の××のキャラはほとんど僕ですよ」とか
「ヘイウチさんの何何の××はM君ですね」とか
「う〜ん、自分じゃわからないなあー・・・」てな話になった。
しばしば漫画家さんは身近な人の名前をつけたりモデルにしたりする。
週刊連載で、週に2回も3回も会う編集さんは時に家族より濃い付き合いになったりするから、いやでも彼等の人格が善きにつけ悪しきにつけ刷り込まれていく。
魅力的な人ならなおさらだ。
いつのまにか頭の中で一つのキャラとなり、勝手に動き出したり漫画の中に自然に現れたりする。
(もちろん漫画家が描くのだけれど)
変人なら変人なりに、平凡なら平凡なりに。
漫画の中には編集さんの分身がいる。
そのままの姿だったりデフォルメされてたり、言葉だったり癖だったり、まるで妖精みたいに存在している。
ちょこちょこと動き回って漫画家さんを困らせたり・・・。
きっとKさんもそういう人だったんだろうな。
漫画家さんときっと濃密ないい付き合いをして、多くの漫画家さんがKさんに魅了され、影響を受けた事だろう。
最後にKさんに会ったのは6、7年前になる。
大酒飲みだったのでその頃はかなりやせてしまっていたけど記憶の中ではダンディで可愛いKさん
のままだ。
だからきっとこれからも護国寺の、講談社の沢山の漫画の中に、漫画家さんの中に存在し続けるだろう。
合掌。
夏子
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
2011年2月16日
「またまたサッカー週間」
先週に引き続きまだまだサッカーの好カードが続く。
テレビからは一日中まるでシャワーのようにサッカーの情報が降り注いで仕事が手につかないぞ・・・。
あいかわらずインテルの長友は幸せそうだ。
前回とは違って0ー1で追う展開だったのでなかなか球は回ってこない。
エトーも、パスよりはシュートを選んでいた。
スナイデルのパスにはあと一歩、追い付かなかったがあれに追いつければ信頼もずっと増すのではないか。
そしたらDFも引き付けられるしチームとしての攻撃の選択も増して、彼の存在感が高まるだろう。
期待。
・・・しかしね。
つくづく、去年の今頃は長友、FC東京の合宿やってたんじゃないか。
たった1年で、エトーにスナイデルがチームメイト?
(去年の夏には南アW杯で、その二人と対戦していたのに・・・)
なんだか長友の見た初夢の続きを私達が見ているみたいだ。
インセプションか?・・でも現実なんだよね。
夢が少しづつ醒めていくような事なく、走り続けてほしいなあ。
で、中間で国際親善試合とかでドイツ対イタリアを見る。
ドイツには現在リーグぶっちぎって1位のドルトムント勢が召集、後半にゲッツエやグロシュクロイツ君達がピッチに立つのだけれど・・・。
球を受けて返すだけ、ちっとも動けない。
あの元気者のグロシュクロイツ君もほとんど何もできなかった。
18才のゲッツエ君も、
「エジルさんの邪魔にならないようにしなくちゃ、でもどう動けばいいのか・・・
あっ、また重なっちゃった、ごめんなさいーーー」ってな感じ。
そのエジルもまだ22才なのにね。
うう、世界は広く、頂は遠いか?・・・。
で、プレミアのマンチェスターダービーの好カード。
これは生で見なければ・・・。
1ー1の拮抗した展開にケリをつけたのはあれですよ、地上波のスポーツニュースで何度もオンエアされたオーバーヘッド!!
うひゃあ、よくあの状況で、あれが出たもんだ!
あれ見た時、なんかデジャブ感があった。
昔漫画の中でキャラにさせたような、翼君がやっていたような・・・
もう完璧!まさにルーニー、あれこそ「持っている男!」だよね。
で、この1発が試合を決めた。
オイルマネーを湯水のように注ぐマンチェスターシティにあの1発をお見舞い!
「勝利は金じゃ買えないんだぞ!」とルーニーが示してくれたようでなんとなく嬉しかった。・・・
近年はオーバーヘッドで確率も低いし危険なので監督さんによってはあんまり評価されない、と聞いてたけどね。
今週からCLも始まるし欧州リーグで久々に本田の姿も見られる。
録画しておいたリーガも見なければ・・・。
忙しいけど嬉しいかも。
あ、3/4に「コラソン」4巻発売されます。
よろしくね。
P.S
CSの倉敷保雄さんの実況はとてもわかりやすい。
口調が柔らかだしだれが球を持っているのかちゃんと名前を
連呼してくれるので仕事をしながらでも便利だ。
(民放だとここのところちゃんとやってくれないんだよね)
しばしばはさむジョークもおもしろい。
サッカー愛を感じるのよね。
夏子
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
2011年2月9日
「サッカー週間」
長友がインテルに移籍(!!!)したのでCSのチャンネルをさらに増やす。
2試合とも生感覚(録画して、結果を見ずに見るの)で見る事ができた。
さすがにローマ戦で交代のため立った時はちょっとドキドキした。
内容は・・・短いのでよくわからないけど、まわりのお兄さん達が気をつかって
「やってみな
」って感じでボールまわしてくれたみたいだ。
やっぱり長友は先発で出てめいっぱい走らせて、まわりの選手が疲れてきた時に真価が発揮できるのかなー、と思う。
つまりもっともっと出場してほしいと言う事。
そしたら、なんといっても世界のトッププロ、いい球がくれば決めてくれるのではないか、なんて期待する。
でも長友っていつも幸せそうで初々しい感じだよね。
香川のいないドルトムント、でも戦術の意志統一が出来ているせいか、同じような攻撃でがんがんやっている。
だから香川君いないのに「あれ?今の香川?!」って思っちゃうようなデジャブ感があった。・・・と思ったら再放送だったりして。(笑)
CSは再放送多いからね。
でもドルトムント、って先輩がいない、1、2年生だけの高校のサッカー部みたいだね。
よく走って、元気よく点を取って、がんがん勝ってリーグを席巻して。
監督さんもお兄さんみたいに若くて。
そのドルトムント戦を前半だけ見てプレミアへはしご。
なんといってもフェルナンド・トーレスのチェルシー移籍デビュー戦、しかも相手は昨日までいたリバプール戦、果たして・・・。
でもどっちも負けられない、と牽制しあったのか、パッとしないままトーレスは交代、あとで録画(後半)を見たら0ー1でチェルシーが負けてた。
でもドログバとトーレスのツートップ、ツーショットはどうしても違和感が・・。
なんだってトーレスってあんな王子様顔なんでしょね。
ドログバがまるで悪の帝王みたいだ。
トーレスの代わりにリバプールが獲得したキャロルとスアレスにも期待大。
サッカーよりも場外乱闘に。だってキレイなジャイアン、って感じの悪童キャロルと
あの南ア大会の「手」のスアレス、この二人が仲良くなれるわけがない、つうの。(笑)
そんで長友のインテルのセリエAへ。
録画予約をして寝る。
翌朝セリエと、前日録画しておいたリーガエスパニョーラを見る。
4つのリーグを見て感じたことは。
ブンデスが一番観客が多かった。
カードにもよるんだろうが、サンシーロは空席が目についた。
プレミアは割と入っていて、リーガはガラガラの試合も時々ある。
ここだけを見ればブンデスが一番いいリーグじゃないか。
(ブンデスはどの試合もほぼ満席らしい)
リーガが一番で次ぎにプレミア、セリエ、でブンデスは4番手らしいが。
実際お金の集まりもこの順で、チケット価格もこの順に高く、そして選手もやはりこの順で移籍したいという事。
う〜ん、ちょっと複雑だなあ。
そりゃプロだからお金が第一、お金が集まれば当然レベルも高くなる。
やっぱりレベルの高いリーグでサッカーしたいのは当然だろうけど。
オイルマネーやチャイナマネーが物を言うなら、じゃあサッカーは誰のものだろう?と思う。
「ビッグクラブ」に移籍する事だけがすべてじゃないはず、と思いたい。
私はこの日に限れば香川がいなくてもドルトムントの試合が一番おもしろかったなあ。
あの若さあふれる走りと熱い観客が。
ま、好みですね。
あまりにチャンネルが多いので選択するのが大変。
大好きな「クリミナルマインド5」見るの忘れちゃった。
P.S
「コラソン」4巻は3/4発売、との事です。
よろしくね。
夏子
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
2011年2月2日
「ザカリーに捧ぐ」
すばらしいドキュメント映画を見ました
(DVDだけど)。
前からはまっていた町山智浩さんの「未公開映画を観るテレビ」という東京MXテレビの番組なんですけどね。
アシのS君が「これおもしろいですよ」とこの番組の録画をお皿に落として貸してくれたのね。
それはタイトル通り日本で公開されない米ドキュメント映画を放送してくれる番組なんですけどね。
その一つが「ザカリーに捧ぐ」なんでした。
これがすばらしかった。
(他にも名品・珍品がてんこ盛り)
ネタばれになっちゃうのであまり詳細は書けないのだけれど、内容は、アマチュア映画監督の人が、殺害されてしまった友人の、残された子供(がザカリー君)に
「君のパパはこういう人だったよ、こんなにすばらしいパパだったよ
」と伝えるため(だけ)に映画(というより個人的なホームビデオ)を撮るのですが。
その成りゆきががあまりにもすさまじい、撮った本人も予期できないあまりに悲劇的な衝撃的な結末を迎えてしまう
・・・この辺はドキュメントならではの迫力。
あまりの展開に、監督さんも「もう何の為に撮るのかわからなくなってしまった・・・」と絶望しそうになる。
でももちろん希望(と呼ぶにはあまりに悲しいが)のある、悲劇を乗り越えていく力強い、そして心暖まるラストがあるのですが。
この映画の幸運なところは監督がその友人の映像をたくさん撮って持っていた、というところですね。
普通、ドキュメントだと「回想シーン」って作れないでしょ。
ニュース映像でも使わない限り。
でも友人だったので人生の節目、節目を(結婚式とか、卒業式とか)映像として収めている。
それをふんだんに折り込んで。
さらに一番すごいな、と思うのはそのあふれる材料を惜しみなく切って、ものすごいテンポで見せてくれるところ。
ラストなんかもう波のようにじわじわ、そしてうわーって怒濤のごとく盛り上がる。
すごい、本当にすごい。
テンポがいい、というのはつまり密度が濃い、ということ。
これに比べたらマイケル・ムーア監督の「ボーリング・フォー・コロンバイン」はあっさりしたもんですよ。
最初は残された子供のザカリー君に捧げられた映画だったのだけれど、いつのまにか別の二人(誰だかは言えないのだけれど・・・)に捧げる映画になっていったのですね。
そしてそれを撮らせたのはすでにこの世にいない友人に他ならない。
亡き友は、映像の中に生きていて、ともすれば心が折れそうになる彼に「僕の、ザカリーの、両親の、そしてすべての愛する友人のために撮って。そして君の為に・・」と静かに、でも力強く言い続けてくれたのね。・・・
さらに悲しい、悔しい、やるせない・・・で終わるのではなくさらに力強い、世界を変えていくような、新たな展開へ、と物語が続き、映画は終わっていく。
この作品はあまりにすばらしいので、アマチュア映画の枠を越えて全米で公開され、話題になったそうです。
ぜひ観て下さい。
P.S
サッカーアジア杯、優勝!
うれしいけれどこんなドラマチックな展開現実でやられちゃ漫画は困るよん。
夏子
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