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2016年2月25日

「ねがい」
 先週の赤ちゃん見せてくれた後輩のお宅にて。
後輩のリビングに大きな楳図かずおのイラストのパネルが飾ってあった。
「あれ、楳図かずお好きだったっけ?」
「いや、このイラストがかっこよかったので…。」
(おろち、の大アップ。うん、確かにかっこいい、クールだ)

「誰もこのパネル、突っ込んでくれなかったんですよ…」苦笑。
インパクトはあるが楳図かずお世代じゃないんだろう。
私なんか、モロ!の世代だ。
そりゃもう物心ついたときから楳図かずお読んでたさ!アイコン
恐怖漫画は人気ナンバー1だったし!
少女漫画だったけれど恐怖漫画だけは男子にも楽しんで読まれていた。
「へび少女」「のろいの館」「恐怖」エトセトラ…。
少年漫画系だったけど「漂流教室」そして「おろち」も大好きだった。
文句なし、の70年代の名作だ。
私も70年代の名作10コあげろ、と言われたらきっと「漂流教室」入れるだろう。

 で、後輩君が
「ヘイウチさん、ねがい、って漫画知ってます?
 なんかすごい、って噂聞くので一度読みたいと思ってるんですが時間が
 なくてなかなか…」
「もちろん知ってるよ。アイコン
 私も大好き。確か漂流教室の最終巻に併録されていて…」
「どんな漫画ですかあ?」
「ねがい、楳図かずお、モクメ、で検索してみ、一発で出てくるよ。
 ものすごいキモいヴィジュアルで…」

 というわけで「ねがい」について語りたくなってしまった。
「ねがい」とは…

*あらすじ*

小学生(高学年)の主人公の少年はおとなしかったせいか、友達が少なかった。
友達がほしいなあ…と思っていたら、クラスメイトから
「願いを叶えたかったら宇宙のエネルギーにお願いすればいい。
 ある一点に精神を集中して、それが壊れた時、願いが叶うんだ」と聞かされる。
そうか、ぼくもやってみよう、と少年は机の上の電気スタンドを凝視する。
来る日も来る日もがんばって精神集中を続けるがなかなか宇宙のエネルギーとやらは手に入らない。
そんな時、近所のごみ捨て場から木製のガラクタを拾う。
「階段の手すりだったのかな、これ。
 なんか人の顔みたいだ、ここに目とか付ければ…」
とその木片を持ち帰り、工作の要領で人形らしきものをこしらえる。
それが、器用なんだか不器用なんだか、ものすごい変な人形で…。
気味の悪い人形だけど少年は満足する。
「おまえが話せたら友達になれるのになあ…」
お母さんが子供部屋のそうじでそれを見つけてギョッとする。
「キャッ、何これ!?」
「モクメって名づけたんだ、友達にするんだ」

 そのモクメ、の造形がまたものすごくてね…
さすが楳図かずお大先生。
一コマ、ワンカットだけでもものすごい怖い。
さすが恐怖漫画の帝王。
今でも夜中たった一人で見たらぞぞーっと怖くなる…。
絵柄が、もう恐怖そのもの。
でも作品を読み進めていくうちに怖いだけでなく、どこかおかしく、可愛くさえ見えてくるから不思議。
(さらにせつなくなり…)
話の続き。

 でも少年は学校生活に慣れてだんだん生身の友達もできてくる。
そうすると「モクメ」がうっとうしくなってきて…。
ある日学校から帰ると、机の上の電気スタンドが壊れている!
あ!願いが届いた!
宇宙のエネルギーがぼくのねがいを叶えてくれる…ということは。
モクメが命を宿して動き出す…。
その不気味さと言ったら!アイコン
いやはや、怖いを通り越してもはやコミカルでもあるんだけど…
ブサイクだし。笑。

 少年は薄情にもモクメがじゃまになり、ゴミ捨て場に捨ててしまう。
そして人間の友達と普通の小学生らしい日常を送るのだが…。
しかしある雨の日の午後、捨てたはずのモクメが帰ってきてしまう。
モクメだって淋しかったんだ。
自室の勉強机の椅子に座ってこちらを振り向いた時のモクメの怖さ!
悲しさ!アイコン
裏切られた恨みか?少年に襲い掛かってくるモクメ、釘の歯が食らいついてくる。
痛いよ!
怖くなり少年は「ぼくが悪かった、あやまるよ!ずっとモクメと友達でいるから…」と泣いて謝る…
許してくれて、少年を抱き起そうとするモクメ、しかし少年、そのスキをついてモクメをバットか何かでぶったたいて破壊する…
泣きながら…
「ごめんよごめんよ、君がいると友達ができなくなっちゃうんだ…」
バラバラに壊れたモクメ、もう生き返らない…。
そこへお母さんが「あら、モクメを捨てたなんて嘘だったのね」とのんきに話す。
(このお母さんののんきさがいいですね。ここで恐怖から現実に戻れた安心感が)
少年はお母さんに抱き着いて号泣、
「ぼくが作ったんだ、宇宙のエネルギーにねがいをかけたんだ…」
いつまでも泣く少年。
思春期の始まり。
大人への通過儀礼、か。アイコン
「少年の頃のこの素晴らしいエネルギーは二度とは手に入らないだろう」てなナレーションがかぶり、エンド。

 わすか30枚程度の短編作品。
しかしさすがの巨匠、楳図かずお。
忘れられない一品。
他にも忘れがたい作品はあまたあります。
「洗礼」なんかも好きですね。
ああ、楳図かずおで語りたい〜。アイコン
とりあえず語る場がないのでここに書きました。

 

P.S
 毎日CNNニュースではアメリカ大統領選挙の話題ばかり。
 しかし何だってこうも「中傷合戦」に終始するんだろうね。
 人の悪口ばっかり言って、声の大きい者が勝つなら大統領って何なんだろう。
 知性はどこへ行った。アイコン

 

夏子

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
2016年2月18日

「FRAGILE…」
英語の fragile は、「壊れやすい」って意味で、宅配荷物などで「壊れ物につき取り扱い注意」の時使用される…らしい。
(フラジャイル…フラダンスをするエグザイル、ではない)
で、何がそうなのかと言うと。アイコン

 昨年産まれた後輩の知人の「赤ちゃん」を見に知人宅に伺ったのです。アイコン
まだ4か月(くらい?)、まさに「fragile」そのもの!
小さくて丸くて、生まれたての本当にかわいいきれいな赤ちゃん。
丸ごと命そのもの、一点の穢れもない、純粋無垢な…という感じ。
なぜだか髪の毛が寝くせ、なのか上方に舞い上がっている。
(くすっ。下敷きでこすったみたいだ。それも可愛い…♪)
その髪の毛ももうふわふわ。
生まれたての生き物、もう細胞から出来たて、新鮮で、ピチピチで。
本当に「神聖」で「不思議」で「未知」の存在。

 こんなきれいな生物に外界の汚れや老廃物のいっぱい付いた人間(あたいのこと…笑)が近寄ってもいいものか?アイコン
ちゃんと手を洗って身を清めてからでなきゃ恐れ多くて恐縮してしまう…苦笑。

 昨年「息子が産まれました、ぜひ見に来てください」との連絡。
「じゃ落ち着いたら、そのうちに」と返答。
正直半分くらいは社交辞令の挨拶のつもりだった。
だって赤ちゃんいたらお母さんは本当に大変で、忙しくて、余裕なんかなかなかないかもしれない、迷惑かけたら申し訳ないし、あちらも形式的に「見に来て」と書いただけかも…
なんて思っていたら、
「だいぶ落ち着いたから見に来てください」との連絡。

 ああ、本気だったんだ。
本当に息子の誕生を歓び、純粋にそれを見てほしいんだ。
他人の私が、拝顔を許されたわけだ…。うん。

 で、後輩宅へうかがう。アイコン
風は冷たいけれど陽ざしはたっぷり暖かい…。
家におじゃまし、まず手を洗わせてもらう…
電車のつり革つかんだ人間の手はトイレの便座より汚いという…笑。
(手はほら、温度高いからさ)

 いやいや、「幸せ」という単語を具現するとしたら、この一家ですね。アイコン
お父さん(後輩君)もなかなかのイクメンぶり。

「ほおら、ヘイウチ大先生だよ」
「○○君〜、見てごらん〜」
「ごきげんはいかがかなー…」
あ、少し笑っているかな?…
「あ、大きい方やっちゃったかな?」
きれいな赤ちゃん、気のせいかウンチもきれいだ…クリーミィで。笑。
「こいつ、一人じゃ何にもできないんだもの。よく俺がおしめを代えてやったのに、とかオヤジが言うセリフあるでしょ、あの気持ちわかるわ!」ってうれしそうにウンチのお尻拭いてあげてる。
本当にこの子を見てほしかったんだな、純粋に。

 私に、というのもうれしかったし奥さんの明るさも気持ちがよかった。
つぶらな瞳が私を見てる(みたいだ)…
ああ、なんてきれいな生き物だろう、恥ずかしいから見ないで…
こんなウン十年たった中古の生き物を…
お目の穢れになりませんように…。
いや、実際照れくさくて恥ずかしくて。
見つめられたら。
そしたら。

「抱っこしてあげてください〜」

!!!アイコン
キターーー!!!!
マジ!?

 いやはや…情けなくもどぎまぎ。
赤ちゃんを抱っこした事はないわけじゃないけれど、いや緊張するのなんのって。
マジでおっかない〜。アイコン
落っことしたらどうしよう?とか、泣き出しちゃったら、とか。
嫌われちゃったどうしよう〜〜ご機嫌が悪くなっちゃったら〜〜笑。

 今6キロくらい、とのこと。
若いお母さんに抱き方を教授してもらってなんとか落とさずに(おい!)抱っこ。アイコン
あったかい…
重い…
6キロならうちのココアちゃんくらいか…
猫と一緒にするな!
大事な宝を抱っこさせてくれてありがとう。
でもうんと緊張しました。笑い。

「壊れやすい…」と思ってた。
でも弱そうでいて多分赤ちゃんは強い。
親の血を受け継ぐ、というけど、すでに赤ちゃんは自分の血は自分で作っている。
ミルクを飲み、うんこをしてはものすごいスピードで細胞分裂を繰り返し、繰り返し毎日毎日大きくなる(らしい)。
さらにこんなたっぷりの愛情に包まれている子供は生命力にみなぎっているだろう!

 昔から、自分が子供の時から「子供」というのは社会の厄介者、だと思っていた。笑。
「子供」が可愛い、なんて自分が子供の時に実感することはなかった。
(そりゃハナとかたらして粗末な服しか着てなくてさ…笑)
だっていつでも大人から怒られたりじゃまにされたりする存在に見えたし。
もちろん虐待とかされてたわけではないけど、でも学校でも家庭でも街中でも、世界のどこでも子供というのはいつでも何か注意されて叱られる、という存在だと思っていた。
それに今と違って昔は子供はたくさん居たしね、有り難がられない。
私は3人きょうだいで、みんなそんな感じで、むしろ「一人っ子」の方がめずらしかったし…。
たくさんの子供はむしろ迷惑なものかと…
おやつは奪い合うし。笑。

 だから私は早く大人になりたいと思っていたなあ。
未熟で価値のない、社会の役に立たない子供、っていう身分から早く脱皮したかった。
ま、早く一人前の漫画家になりたかったのよね。
漫画家になってガバガバ稼ぎたいとか…笑。
ウソウソ。
でも子供、ってお金が好きよ、とても。小銭もいいけどお札もね。笑。

 子供を持つ機会はなかったけど、もちろん今では子供のかわいさ、凄さはわかる。アイコン
少子化のせいもあるけど、「お誕生」は心から嬉しい。
そして誰の子供であれ、健やかに育っていってほしい、まぶしい存在であってほしいと思う。
テレビや新聞で、悲しいニュースを聞くたびそう思う。
ほんとうに。

 

P.S
 ちびちゃんの似顔絵を描いたら喜んでもらえた。
 私もうれしい。アイコン

 

夏子

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
2016年2月11日

 悲しいね。
ひたすら悲しいわ、清原逮捕。アイコン
清原がプロ入りした80年代は私西武ライオンズのファンで、球場にもよく行ったもんだ。
特別好き、ってわけじゃなかったけど私が応援していた時はいつも清原がクリンナップだったもの。
あのころはそりゃもう清原の全盛期、西武ライオンズも強かったしね。
日本シリーズもよく見に行ったし。
本当に彼は頼もしかった。
華やかだった。
(あまり知的なイメージはなかったけど)

 もともと「がんばれタブチ君!」って漫画が大好きだったの。
(その前の「バイト君」も大好きで。イシイヒサイチ著。懐かしい…)
その流れで所沢に本拠地を移し、レオマークですっかり新しくなったライオンズのファンになり…。
サッカーよりもずっとプロ野球が好きだったなあ。アイコン
華やかだったしね。
ちなみに好きだった選手は太田卓司、松沼兄、辻、伊原守備走塁コーチ(ははは、対巨人の日本シリーズであのクロマティの緩慢送球のスキを突いて3塁でぶんぶん腕をふりまわして2塁ランナーの辻にバックホームをさせた伝説の守備走塁コーチ、あの試合観に行ってたんだよー…古すぎ…笑)など。
マニアックでしょ。
職人肌、というか「いぶし銀」とか表される選手が好きだった。
それは作品にも影響されてるかも。
懐かしい…。
私が観に行ってた試合はほとんど清原がいたなあ。
その清原が…。
でも、ま、西武時代はよかったけどフリーエージェントで巨人に移籍してからはがっかりしてもうすっかりどうでもよくなってたけどね。

 その清原が、なんてみじめなんだろう。
あの強かったオトコがなんて弱いんだろう。
哀しいんだろう。アイコン
(しかしその落差、サッカー界でもしばしば耳にする。アル中とか…)
自業自得とはいえ、可哀相で…今日本一哀れな男じゃなかろうか。
あの華やかだった男が、なんてみっともないブログを書いてたんだろうね。
ひとりぼっちだ、とかさみしい、だとか。
「イタイ」を通り越して「不思議」の域かも。

 華やかにバット握ってた同じ右手で、クスリ打つ注射器持ってたのかい。
どんな気持ちで…
あ、ヤク中に気持ちなんかどうでもいいかな。
何も考えていないだろうね。

 容疑者と呼ばれ、手錠かけられて連行される姿見て、子供たちはどんなに傷ついたことだろう。
私がもし自分の家族とか友人がそうなったら、もう悲しいを通り越して痛い、というか。
気持ち、ズタズタになっちゃう。

 まだ西武時代、所沢に試合観に行った時、近くの席にヤクザっぽいオトコがホステスみたいな女2,3人はべらせて観に来てたのよ。
そのヤクザ、清原ファンでさ、一生懸命応援してるの。
「2アウトか…でも大丈夫、次は清原君だから。清原君がんばれー…」てな感じで、
なぜか「くん」付けしてつぶやいていたのがおかしかった。
ほほえましい、というか。
その筋にも人気あっただろうな。
それだけなら問題ないけど、クスリはね。
クスリがからんじゃ、ね。
お終いだよね。
あれだけの有名人、有り金全部巻き上げるまでとことん追い込むんだろうね。
私でも想像つくもん、いったんその筋とかかわったら、お金持ってる者がどういう扱いを受けるか。アイコン
多分、最初はちやほやされたんだろうね。
甘い言葉で近づいて、その後は。
クスリもそうなんだろうけど、恐喝されちゃ、ね。
もう逃げられず、さらに薬に逃げ込み、どん底、っていうのかな、堕ちていったのかな。
逮捕されてむしろホッとしてるだろうか…。
でも入所先ゲロったらムショまでヒットマンがぁ〜テレビの見すぎかな。

 擁護するつもりはないけど、彼と同じ立場になった時(スター選手だったこと自体、その孤独や転落を含め)どれだけの人間が道を踏み外さないでいられるだろうか。
きっぱりと誘惑を振り切れるだろうか。
私は自信がないな。
怖いな。
ほんとにクスリとか怖い、暴力団も怖いし、自分の強さにも自信はそんなにはない。
だから危うきには近寄らないようにしてますが…。
ああ、悲しい。 アイコン

 

P.S
 桑田が「もういっさい関わってくれるな、って言われちゃった」ってコメン
 トしてたけど深読みすると清原が自分に関わると桑田に迷惑がかかる…と案
 じた、と取れなくもない。
 しかし桑田がそう案じてもらえるような誠実な人間には…。
 清原もそこまで男気があるような性格じゃなさそうな。
 漫画だったらそういうストーリーができるのだけれどね…。

 

夏子

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
2016年2月4日

「因果を背負わされ…」アイコン
 先週の続きです。
「巨人の星」の星飛雄馬の話。
子供の頃アニメで毎週楽しみに見てました。
実は原作漫画の方はあまりまともに通して読む機会がなかった。
ちなみに「あしたのジョー」はすでに完結してから単行本をまとめ買いして一気に読んだものです。アイコン
(もちろん感動〜)
こっちはアニメはそんなに好きじゃなかった。
虫プロ制作なのよね、なぜだか…。
手塚治虫先生は本当はやりたくなかった、とか。

 で、巨人の星。

 ストーリーはもう説明するまでもないけど。
(アニメ版では)一徹父ちゃん元巨人軍の選手だったけれど確か内野手だったか?
一徹父ちゃんがあみだした「魔送球」なる送球、しかし打者ランナーを狙うもので、邪道とされ、チームを追放になったんだっけ?それとも魔球による腕の故障だったか、詳細は忘れたけど、とにかくプロ選手としての生命を絶たれたの。
それで巨人を恨む。
落ちぶれて貧乏なのはチームのせい、自分を選手としては認めてくれなかった恨みをすべて息子の飛雄馬に植え付けるわけ。アイコン
もっとも、これほどの「恨み」というのは「愛」の裏返しなんだけどね。
誰よりも野球を愛していたのに野球からは愛されなかった…かわいさ余って憎さが百倍…か。
なぜもっと素直に愛を伝えなかったのだ…一徹。
そうしたら飛雄馬の野球人生が根底から変わってきたものを。
(そしたら巨人の星、じゃなくなるか)

 しかしネーミングがすごいよね。アイコン
星、で一徹、でそれだけでもすごいのに息子は「飛雄馬」だよ。
ひゅうまか…子供の頃は変わった名前だなあ、としか思ってなかったけど、今改めて見直すと、いやはや、すごいセンス。
キラキラネームどこじゃない。
(ちなみに「星」という姓は福島のある村に多かった)
これを超えるネーミングはいまだに出現してないんじゃなかろうか。
これに比べたら「矢吹」で「ジョー」はさわやかでカッコいいけど少々軽いかな。
あ、力石徹、はいいですね。うん。
力石、で徹。
漢字も画数の少ない苗字に対して「徹」、の重さ、実にバランスがいい。
これに比べると幕ノ内一歩は…音的にも弱いかな。
一歩、というのはいい名前ではありますが、やはり弱い。
さらにライバルが「宮田クン」ではちょっと凡庸だ。
緊張感に欠けるぞ…。

 横道それた。
因果、よ因果。アイコン
もう幼い頃から一徹父ちゃんのスパルタで徹底的に鍛えられる。
スプリングで動きを拘束される「大リーグボール養成ギプス」なんてのをくっつけられちゃって。
まだ骨が成長する前から筋肉を鍛えすぎると背が伸びなくなるんだ。
だから飛雄馬は少々小柄。
170センチくらいじゃなかろうか?
これはいけない…。
フィジカルももちろんなんだけど、メンタルの間違った鍛え方ときたら。

「輝く巨人の星となれ」と幼い飛雄馬に目指させるのだけれどさ。
いかんせん、すべからくネガティブなんだ。
それもそのはず、父ちゃん自身の巨人に対する、野球に対する「恨み」が原点だからね。
「よくも俺様を認めずにほおりだしてくれたな」
「みてろよ、おれの代わりに息子を一流のプロ野球選手に育てて
 ぎゃふんといわせてやるぞ」
人生を懸けた自分の八つ当たりともいえる復讐をすべて託されたせがれはたまったもんじゃない。

 飛雄馬の性格の暗い事暗い事!
たしかにピッチャーとしては天才に成長したけれど、全然野球を好き、に見えないんだわ。
楽しそうじゃないんだわ。アイコン
そりゃそうだよね…
一徹父ちゃんの恨みをすべて背負わされてるんだから。
おかげで飛雄馬の選手生命はとても短かった…。
幸せと言えるのかな…
言えないと思うよ…。

 さらに、80年頃に週刊読売(今はない)に連載された続編の「新・巨人の星」によりますと、飛雄馬はほんとは右利きだった、と判明する。アイコン
野球においてはすべてにおいて左利きが有利、と一徹父ちゃんが無理やり左利きに変えていた、という少々取ってつけたような展開。

 そりゃないだろう〜〜〜。
サウスポーってなんか、生まれつきの「選ばれた」感がなんとなくかっこよかったのに〜〜。
いまさらそれはないだろう…
ご都合主義というかかなり強引な。
さらにだ、「新〜」では見事に本来の右投げの投手になった飛雄馬をテレビで見て、「母さん、もはやわしの作品、ではない飛雄馬がいる」って遺影に語りかけるんだわ〜
すっかり白髪のじじいになった一徹父ちゃんが。

 その上野球に対するトラウマは姉の明子姉ちゃんにも植え付けられて…。
なんと花形と結婚してるんだけどアイコン
(伴宙太のプロポーズを断り…そりゃそうか!笑)
弟の復帰に刺激された今は夫の花形が自分も復帰したい、とにおわせると、
「いや、いや!野球はいや!野球のせいで星家はめちゃめちゃになったのよ!」と泣く。
暗い青春だったのは彼女も同じ…
今は富豪の花形夫人で、お金持ちだけれどなぜだか子宝には恵まれない…
う〜む、また因果を繰り返すかもしれない、って恐怖が潜在意識下に埋め込まれているのか…。
幸せは遠い…
何もかも一徹父ちゃんが悪いのだ…。アイコン

 生まれてくる子供に「因果」を背負わせちゃいけないよね。
子供は真っ白で、何一つシミのない、きれいな魂を与えなきゃ。
だって今生まれてきたんだから。
一徹父ちゃん、罪だな。
だからかな、その後の「ドカベン」のさわやかな事! アイコン

 

P.S
 「新〜」では左門も出てくる。
 彼が一番幸せな人生ではなかろうか。
 野球はもちろん絶好調、愛する伴侶も得て、弟妹たちも何不自由ない生活を
 おくれている。
 かつて彼の野球に対する一番のモチベーションだったきょうだい達の幸せ、
 という夢をかなえることができたのだ。
 奥さんになったのは元不良のお京さん。
 お京さんは本当は飛雄馬が好きだった。
 彼女のおかげで大リーグボール第3号(超スローボール)のヒントを得たの
 よね。
 しかし、だ。
 しかしその愛する妻に左門ったら「…まだ星君ば好きか?」なんて聞く。
(聞くなよー!!!)
 するとお京さんたら「…大好き、あなたと同じくらい♪」ですと!アイコン
 お京さん、それはないでしょ!
 せめて「大好き、あなたの次に♪」でなきゃ。
 まったくもう…。
 もしくは「…このくらい」って指で5センチくらいを示す。
「これは地球を一周した残り!だって地球は丸いんだもん!」ってフォーリー
 ブスかい!
 にっちもさっちもどうにもブルドッグ!ゴムバンドくぐってイエイ!
(知らねえって、誰も…)

P.S2
 それからこの作品には王、長嶋はもちろんあまたの野球選手が全員実名で出
 ていた。アイコン
「肖像権」なんて言葉すら存在してなかった…のかな。
 のどかな時代ではありました。

 

夏子

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
 
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